プロ野球はオールスターゲーム前の前半戦を終了し、セ・リーグは3.5ゲーム差以内に巨人、広島、DeNA、阪神の4球団がひしめき合う大混戦。戦力が拮抗しているため、現状を維持していくか、我慢比べの様相を呈している。
ここで8月の日程表を見ると、あることに気が付く。後半戦は7月26日にスタートするが、9月1日までの38日間、各チームは33試合を行う予定になっている。ところが横浜DeNAベイスターズは「28試合が屋外」であり、涼しいドーム球場では「5試合」しかない。しかもDeNAの選手が自宅から通える東京ドームではなく、遠征となるバンテリンドームのみ。DeNAの敵に「8月の猛暑」が加わることになる。
振り返れば昨夏も、三浦大輔監督は試合前の練習を短くしたり、一部を屋内に切り替えるなどしていた。
8月の日程的ハンディキャップといえば、夏の甲子園大会で本拠地を明け渡す阪神タイガースの「死のロード」が有名だった。今年も8月2日から29日までの間、甲子園球場での試合はない。しかし、京セラドームでのホームゲームが6試合、東京ドームとバンテリンドームでの試合もあるため、33試合中12試合が「室内」となる。
東京ドームを本拠地とする巨人は33試合中18試合が室内となり、上位4球団の中で最も多い。
「中日も18試合が室内です。ひょっとしたら、中日が浮上してくるかもしれません」(スポーツ紙デスク)
空調設備の整った球場で多く試合ができる巨人、中日が有利と言わざるをえないのだ。暑い屋外球場での試合が続くDeNAの選手が気の毒にすら思えてくる。
上位4球団で最も厳しい夏を迎えるDeNAが首位争いに生き残るには、中日との6試合(地方1試合)に勝ち越さなければならない。
(飯山満/スポーツライター)