パリ五輪を取材するマスコミが、続々と現地入りしている。急激な円安、ユーロ高に悩む日本のメディアが最も憤慨しているのは、実は為替ではない。
五輪担当記者は現地に到着すると、空港かメインプレスセンター、国際放送センターのどこかでパスを有効化する必要がある。
「その時には街中の交通機関が乗り放題になるパスをもらえるのですが、今回もそれはありましたね。ただ、本来ならプレスキットとして取材場所の資料、リュックサックなども一緒にもらえるはずなのに、今回はないのです。聞けば『SDGsに配慮した五輪大会』をフランス政府が掲げた影響で、資源の無駄使いをしないように、廃止になったとか。その結果、もらえるのは小さな水筒ひとつだけと、あまりにも寂しい状況です」(スポーツ紙記者)
現地でメディアが憤慨していることは、他にもあった。
「各メディアが日本から食料などを陸路で大量に輸送したのですが、途中の国で没収されるケースが多発しました。しかも理由は不明で、返品もない。テロ対策なのか、肉エキスが多く入る食料を送っていたのかはわかりませんが、非常に困った話です」(前出・スポーツ紙記者)
五輪が始まる前から、先が思いやられる事案が次々と起こっているのだ。