Jリーグ誕生前の日本サッカー界には、今では信じられない破天荒なエピソードが少なくない。元日本代表の北澤豪氏が、播戸竜二氏のYouTubeチャンネルで披露した秘話も衝撃的だ。
北澤氏が本田技研工業サッカー部に所属していた時のこと。チームメイトの黒崎久志と共に「出張」という扱いでブラジルに留学した。
ある日、黒崎が熱を出して食事もままならなくなったため、何か食べられるものがないのか聞いたという。黒崎の答えは「あんぱんと牛乳」。こうして日本の裏側、ブラジルであんぱんを探すハメになったのである。
「タクシーに乗って、日系人街に行った。『タクシーは危ない。ひとりで乗るのはやめろ』って言われてるけど、ひとりで行くしかないわけよ。ポッケにナイフを入れて。タクシーを停めたら、助手席がない。絶対どこかに連れて行かれると思った。でもすごくいいやつで、日本人街に連れて行ってくれて、無事に買って帰ることができた」
4時間かけてやっとあんぱんを手に入れ、黒崎に食べさせることができた。そんなこともあり、2人は大親友で兄弟のような関係であるという。しかし、いくら友のためとはいえ、命を危険に晒してまであんぱんを手にいれるというのは…。
(鈴木誠)