日本のオールスターゲームは記録づくめの乱打戦、パリ五輪サッカーでは日本代表が初戦で大勝――。
スポーツの話題が盛り上がる中、ドジャースの大谷翔平も存在感を見せつけた。現地時間7月23日(日本時間24日)本拠地でのジャイアンツ戦に「1番・DH」で先発出場すると、2本のタイムリー安打で3打点。24個目の盗塁も決めた。大谷の打率が3割1分4厘に急浮上したのに対し、ナショナル・リーグの首位打者、ブリュワーズのイエリッチは同日、3試合連続無安打。打率は3割1分5厘まで落ち、大谷は現時点で打率1厘に迫った。
だが最も驚かされたのは、1回裏の初打席だった。この日は女性ファンへの感謝を込めて「ウィメンズナイト」と称し、各選手のパートナーが選んだ曲をバックに登場する企画試合だった。
真美子夫人が選曲したのは、荒木飛呂彦原作のダークファンタジー「ジョジョの奇妙な冒険 第5部 黄金の風」のアニメ版で、主人公のジョルノ・ジョバーナ(ジョジョ)がピンチを脱して敵を「処刑する」クライマックスシーンで使われる「il vento d’oro」(作曲:菅野祐悟)だった。 現在「ウルトラジャンプ」連載中の同シリーズは、1987年に「少年ジャンプ」で連載を開始し、世界中の愛読者は「ジョジョラー」と呼ばれる。7月上旬にロサンゼルスで開かれた世界のアニメファンの祭典「アニメエキスポ2024」にもジョジョワールドが出展。イベントのほか、全米初のガシャポンや限定グッズが販売された。
真美子夫人が少年コミックを愛読する「ジョジョラー」だったのもさることながら、世界中が驚いたのは、愛する夫を「リアル版ジョジョ」と認識していたことだ。
同シリーズに登場する主人公のジョジョ一族は身長195センチ、体重82キロから105キロという設定(一族直系ではないジョルノとヒロインの徐倫を除く)。193センチ、97キロの大谷は「ジョジョ一族とだいたい同じ体型」と以前からジョジョラーの間で指摘され、SNS上でネタにされていた。
真美子夫人がネット上で自分たちの話題を調べる「エゴサーチ」をしているかどうかは定かでないが、大谷夫妻の間でも「ジョジョと同じ体型」話で盛り上がったのではないか…。野球ファンのみならず、ヨーロッパやアジアのアニメファンはそう思ったことだろう。
BGMを使用したジョルノの信条は「『覚悟』とは!! 暗闇の荒野に!! 進むべき道を切り開くことだッ!」というもの。真美子夫人の選曲には、大谷の「3冠王」と「40本塁打40盗塁」同時達成という、メジャーの歴史を切り開く覚悟と祈りが込められているのだろうか。
(那須優子)