「天才だと思った選手は誰か」
プロ野球OBにこんな質問をすると、誰の名前が多く挙がるだろうか。時代にもよるだろうし、個々の経験によって答えは違うかもしれない。
野球解説者の五十嵐亮太氏が選んだのは、ヤクルト時代のチームメイトたる古田敦也氏だった。2000安打を達成し、ゴールデングラブ賞10度獲得の名捕手である。YouTubeチャンネル〈ダグアウト!!!〉で語ったその理由はというと、
「古田さんて技術的なこと配球も含めて、自分の中ですべてを理解して計算して答えを導きだしている人かと思ったら、意外と体の使い方とか細かい話になってくると『え、そうなの?』みたいなこと言うんですよ。イメージしたことをそのまま体に伝えられて、うまくいっちゃう人なんですよ」
MCの元ヤクルト・真中満氏も「それはわかる」と賛同し、
「古田さんが朝から晩までバッティングしてたとか、練習してたとか見てないんですよ。サラッと来て、サラッと練習をして、サラッと試合をやって結果を出すイメージだったから」
これに五十嵐氏が呼応する。
「ガンガン、トレーニングするタイプじゃないんですよ。ボク、1回聞いたんですよ。『古田さん、トレーニングあんまりやらないの、なんでですか』って。そうしたら『疲れるやん』。だからあの人、できない人に対して、なんでこんなのもできないんだ、ぐらいの感じでくるでしょ」
古田氏の師匠は、ヤクルトを3度の日本一に導いた名将・野村克也氏。「野村再生工場」と呼ばれ、その助言や指導によって、自由契約になった選手らを活躍させてきた。
できるだけ練習しない「古田流」を、ノムさんがよしとしていたわけではなかろうが、天賦の才があればこそ許されたことか。
(所ひで/ユーチューブライター)