日本時間の8月2日深夜(3日0時キックオフ)に、準々決勝で難敵スペインを迎え撃つパリ五輪サッカー日本代表だが、国民の期待は「絶対にメダル」と高まるばかりだ。
そんな日本代表は、開催国のフランスと並んでグループリーグで「失点0」という快挙を達成。その守備陣には絶賛が相次いでいるが、では初戦の南米王者パラグアイ戦で5得点をたたき出した攻撃陣の評価はいかがなものか。
頼もしい選手たちがパリ経由→北中米W杯(2026年)で、歴代最強の呼び声が高いA代表にグイグイ食い込んでいけるのか。グループステージの活躍をもとに、どこよりも早い「A代表当確ランプ」をジャッジしてみたい。今回はオフェンス編だ。
「A」=当確、「B=可能性あり、「C」=厳しい。コメントは海外サッカーに詳しいサッカーライターにお願いした。
MF山本理仁「B」
パラグアイ戦でゴールを奪った正確なミドルシュート、読めないタイミングでのパス出しは見事。左利きのゲームメイカーはレジェンド名波浩を彷彿させると評判です。
MF荒木遼太郎「C」
アジア最終予選ではゲームチェンジャーの役割を果たしたが、本大会では持ち味が消えている。本来、ゼロトップを任せられる稀有な存在だが、活かせる監督でなければ埋もれるタイプというのがネックだ。
MF藤田譲瑠チマ「A」
U23で最大級の掘り出し物。ゲームコントロール力、縦につける鋭いパスのタイミング、重心の低いボール奪取能力は、アンカーとして世界レベルと言っていい。A代表の遠藤航や守田英正からポジションを奪ったとして、もはや誰も驚かないだろう。
MF三戸舜介「B」
パラグアイ戦で先制ゴールと2点目を決めて、快進撃の口火を切った。一方、2戦目のマリ戦ではことごとく決定機を外しまくったのが残念。それだけチャンスに絡んでいる証ではあるが、決定力は半信半疑だ。
FW藤尾翔太「A」
パラグアイ戦で後半途中から出場して2得点。不器用で〝うまい選手〟ではないのに、なぜかボールが収まり、点を取ってしまう不思議なストライカー。現在、がむしゃらにディフェンスに貢献する岡崎慎司タイプはA代表におらず、スーパーサブとして期待できる。
FW佐藤恵允「C」
イスラエル戦、試合終了間際にワンタッチでクロスを入れてアシストとして勝利に貢献した。ただし、本来は縦に力強いドリブルで仕掛けるのが得意だが、パリ五輪では成功率が低すぎる。〝ズドン〟と抜いてほしいものだ。
FW斉藤光毅「B」
独特のリズムのドリブルに相手は足を出すタイミングがつかめず、面白いように翻弄した。A代表の攻撃陣は激戦区だが、「10」番の技術は通用するレベル。決定力が上がれば代表定着も見えてくるはずだが…。
FW細谷真大「A」
すでにA代表に選ばれているので評価は「A」だが、あくまで暫定だ。というのは、残念ながらパリ五輪でA代表のエース・上田綺世を脅かすプレーを見せていないから。体幹の強さとシュートをふかす場面はおなじみの光景だけに、決勝トーナメントではゴールショーを定番にしたい。
FW山田楓喜「C」
バックアッパー選出だったが、メンタルの強さを発揮して2試合連続で先発出場。アジア最終予選でブレイクした左足の魔術師だったが、正直ノーインパクト。レフティのアタッカーとして、久保建英や堂安律との序列争いに加わるにはまだまだ厳しい。
以上が、五輪攻撃陣の「A代表に食い込めるか」評だ。MF川崎颯太、MF植中朝日、FW平河悠の3人は、出場時間が短すぎる、負傷などの理由で評価を見送りたい。
相手の攻撃力が高くなる決勝トーナメントは守るだけでは限界がある。やはり、得点が必要だ。悲願のメダルに向けて、パラグアイ戦の再現を期待したい。
(風吹啓太)