3年前の大相撲初場所、西前頭筆頭ながら13勝2敗で優勝。大関レースの筆頭に名乗りをあげ、その後も常に大関に最も近いところで活躍してきたのは大栄翔だ。先の名古屋場所でも調子は今ひとつながら、勝ち越しを決めた。次の秋場所では、この大栄翔の飛躍に大いに期待できそうである。相撲ライターが言う。
「押し相撲では最も安定感があります。今年の夏場所も西前頭筆頭で11勝を挙げた。ファンの関心は大の里に傾いていますが、大の里と隆の勝に次ぐ大関候補だと思いますよ」
立ち合い、立ち遅れることなく頭からぶちかましていくのは、簡単なことではない。しかも相手にまわしを取られたら、即座に切る技術は敵う者がいないほどだ。
2021年秋場所9日目、照ノ富士と対戦した大栄翔は立ち合い、頭から当たると、徹底したはず押しで照ノ富士にまわしを取らせなかった。そしてそのまま押しきったのだった。この場所、大栄翔は10勝を挙げている。
「大栄翔の調子の良し悪しを見る尺度のひとつが照ノ富士戦です。巨漢で立ち合い体当たりをしてくる照ノ富士に勝てたら、おおむね好成績です。優勝した場所も照ノ富士を破っています」(前出・相撲ライター)
照ノ富士が優勝した、先の名古屋場所は相手にならなかった。では、秋場所はどうか。
「今、夏巡業の真っ只中です。照ノ富士大熱戦の末、大栄翔が勝利するようだと期待大です」(前出・相撲ライター)
大関獲りの試金石である。