サッカー日本代表の試合レビューをYouTubeチャンネルで公開している元日本代表の田中マルクス闘莉王氏が、パリ五輪の総括を行った。結果はスペインに0-3で敗れ、準々決勝敗退。闘莉王氏の総括は厳しいものになるかと思われたが、意外にも高評価を与えたのはいったいなぜなのか。
まずは大岩剛監督の手腕を、闘莉王氏は次のように評した。
「勝った試合が全ていいということではないし、負けた試合が全部ダメだったということでもない。スペイン戦はそうだった。1失点してからアグレッシブに前から行って、選手たちも興奮して上がろう、頑張ろうっていう精神的な強さを見せてくれたと思う。リスクを負っても前に行く、前にはめると、これは素晴らしい指導をしてくれたと思います。前回のオリンピック(のスペイン戦)よりも、今日のスペイン戦の方が、日本の強さが見られた。プラスになる試合ができたと思います」
大会を通じて収穫があったとして、大岩監督には7点を与えている(平均点は6点)。
パリ五輪はオーバーエイジ枠を使わないことで、大会前に議論が巻き起こったが、これについては、
「結果が出た後に言うのはみっともないと思うし、OAがいたらどうだったか。OAがいても、違った展開にはならなかったかもしれない」
むしろOAを使わないことで、若手の育成ができたとして、
「次につげるためのステップとしては、今回のオリンピックは成功だったと思いますね」
大会前にはOAを使うべきと訴えていた闘莉王氏は、今は使わなかったことに賛同した。そして評価は高いもののメダルを取れなかったことは残念であり、今大会は獲得のチャンスだったと力説したのである。
「今回のオリンピックは俺からしたら、最近の中でいちばんレベルが低い。周りの代表たちを見ると、今回チャンスなのかなと。他国が五輪にあまり力を入れてないように思います」
メダルは獲得できなかったが、得るものはあったと結論づけた闘莉王氏。五輪代表メンバーがA代表としてピッチに立つ日が楽しみだ。
(鈴木誠)