「アレンパ」に黄信号が灯ってしまった。
阪神は8月18日、バンテリンドームで行われた中日戦に4-8と敗戦。引き分けを挟んでの3連敗で貯金は3まで目減りし、首位・広島とのゲーム差は5にまで広がってしまった。
ヤクルトと最下位争いをしている中日相手に、2敗1分と1勝もできないのは想定外だっただろう。特に17日の2戦目は9回裏二死まで5-3とリードしながら、守護神・岩崎が同点打を浴び、勝ち星を逃した。在阪スポーツ紙デスクが肩を落とす。
「これで4カード連続での負け越しですが、すべて初戦を落としている。そして、先発陣は4カードの計12試合でクオリティスタート(6イニング以上で自責点3以下)がたったの3回(ビーズリー2回、西勇輝1回)と完全な調子落ち。中継ぎ陣に負担をかけまくっている。17日に先発した村上頌樹はとうとう今季初の2軍落ち、18日に先発した大竹耕太郎は指に不安が出て3イニングで降板と散々、後を継いだ伊藤将司は1イニング4失点と試合を壊してしまった。昨季の10勝トリオがここまで計16勝しか挙げておらず、不安しかありません。前半戦、大車輪の活躍だった才木浩人には疲れが出ているのか、ここのところ苦戦続きです。安定しているのがビーズリーだけではとても首位追撃とはいかないでしょう」
「アレンパ」に向けて崖っぷちに立たされた形の阪神だが、救世主となる先発投手は現れるのか。前出のスポーツ紙デスクは2人の名前を挙げる。
「青柳晃洋と高橋遥人しかいないでしょう。青柳は不調で2軍落ちしていますが、8月15日のオリックスとの2軍戦で5回無失点と復調気配です。22日のヤクルト戦に先発予定ですね。高橋は前回11日の広島戦で5回を零封し、1025日ぶりの勝利を挙げました。24日の広島戦に先発するようですが、この2人が実力通りの投球ができるようなら、ビーズリーと西と4本柱として、一気に首位とのゲーム差を縮めるだけのポテンシャルはあります」
〝元エース〟と〝無双男〟がともに活躍すれば「アレンパ」の望みはまだつながる。だから黄信号なのだが、もしもこの2人が期待に応えられなければ、一気に「赤信号」に変わる可能性がある。まさかの終戦ムードだけは、なんとしても回避したいところだろう。
(石見剣)