セ・リーグの混戦から、阪神タイガースが脱落する可能性が高まってきた。低迷する中日との3連戦で2敗1分けと苦しみ、首位の広島とは今季最大の5ゲーム差に広がった。
8月18日は大竹耕太郎と伊藤将司が大量失点を与えて敗戦。投手陣がここにきてグラグラと崩れ、今季ワーストタイの4カード連続負け越しである。
その原因のひとつは、昨オフにあった。主力選手たちは昨年11月まで日本シリーズを戦い、その後は優勝旅行やパレード、そしてテレビ出演、イベント出演、スポンサーとの会食などがあり、ゆっくりと体を癒やすことができなかった。その負債がこの夏場に出ているのだ。目に見えない疲労や、アレンパへのプレッシャーが蓄積。戦力は揃っていながら、力を出せていないのが現状である。
村上頌樹、岩崎優、青柳晃洋、ノイジー、伊藤将司、木浪聖也、中野拓夢らが昨年から成績を落とし、V逸がリアリティーを帯びる中、2年契約最終年の岡田彰布監督が退任するとのウワサが、またしても球団内で出始めている。
「岡田監督が就任時の後ろ盾になっていた阪急阪神ホールディングス・角和夫会長兼グループCEOの求心力が社内で低下しており、政権の根幹を揺るがせています。試合後の『岡田語録』に対するファンの批判が高まっているのも見逃せません。岡田監督の健康面での不安もささやかれるなど、複数の理由が混在して勇退の可能性が高まってきています」(球団OB)
ここから巨人と広島を抜き去り、大逆転優勝で監督退任の流れを一変させることができるか。
(渡辺優)