3選となった小池百合子氏や対抗馬と目されていた蓮舫氏のアンチ、さらに無党派ネット層の若者たちの支持を集め、7月の東京都知事選では2位と健闘した前安芸高田市長の石丸伸二氏だが、まさかのブーム終焉を迎えていると揶揄する声が聞こえ始めている。
石丸氏は8月18日、自身のYouTubeチャンネルで「立憲民主党の活性化策」と題して、次期衆院選で立民代表の選挙区から出馬するというアイデアを投げかけた。いわく「遠くないうちに衆院解散されるだろう。次の立民の代表の選挙区で出る。立民の代表に勝ったら僕を党首にしてください。乗っ取ります」というわけだ。
また「その時は自民も公明党も協力して(候補を)立てないで」と訴え、一騎打ちを提案していた。この飛び道具発言には「泉代表、涙目…」など、石丸信者からのエールがすぐにSNSで散見されたが、その後またたく間にこの話題は尻つぼみ状態となっている。
発言直後は様々なネット記事で拡散されたものの、そこに寄せられるコメント数がせいぜい100件ちょっとで、石丸ブームとまで言われた都知事選時とは雲泥の差なのだ。その理由は「アンチが興味を示さなかったからだ」と、ジャーナリストが語る。
「7月の都知事選前に国政への意欲について問われた石丸氏が『選択肢としては当然考えます。たとえば衆議院広島1区。岸田首相の選挙区です』と答えて話題となりました。今回の立民乗っ取りネタはそれとまったく同じで新鮮味がないわけです。SNSでは『もうネタ切れ』と失望コメントの方が多いぐらいですから。加えて、岸田総理の次は立民代表と、結局は有名な候補を焦らせて自己顕示欲を満たしたいだけとしか、世間の目には映らなくなったと言えます。こんな人物の戯言には付き合っていられないというわけです」
とはいえ、タレントのラサール石井からは「またまた2位になって悦に入れるかもね」、立憲民主党の米山隆一衆院議員からは「ほぼ100%惨敗、負けたら政治から引退の覚悟」と反応されているだけマシだろうか。
しかし、今回の乗っ取り発言で「本当に都知事にならなくてよかった」と、改めて胸を撫で下ろしている都民もいることだろう。
次の衆院選への出馬は濃厚だろうが、その頃に石丸信者がどのくらい残っているのか。都知事選のようなフィーバーの再燃は難しいかもしれない。
(田村元希)