東京都知事選で2位に健闘した石丸伸二氏が、ここに来て「敵」だらけになっている。
元東京都知事で国際政治学者の舛添要一氏は7月10日、かつて市長の任にあった広島県安芸高田市の反応を例に出しながら、「やっぱり、石丸さんの問題は政策がはっきりしない。何を言われてもはぐらかす。相手をバカにする。『石丸構文』で何もかもはぐらかす」と世間の印象と同様、選挙特番などでの対応に疑問を投げかけた。
その選挙特番で、石丸氏に質問した元アイドルの山崎怜奈が「あー、怖かった」と感想をもらすほどの噛み付きぶりについて、実業家のひろゆき氏は「女性に論破されるぐらいが大人の対応なのですよ…」と、石丸氏をたしなめている。
同じ問題では、京都大学の先輩にあたる芥川賞作家の平野啓一郎氏はさらに辛辣に「本当に賢い人って、1を聞いただけで、あるいは相手が0.3くらいしか上手く言えなくても、10まで理解してサクサク答えるような人ではないか」と、やはり石丸氏の対応を疑問視したのだ。
当の石丸氏は、YouTubeチャンネル「ReHacQ-リハック-【公式】」に出演すると、山崎への態度について「あれは可哀相なことになってましたね。あそこに呼んだ番組が可哀相だなと」と、まるで他人事のように言及。そして自身のコミュニケーションについて「ミラーリング」という言葉を用いて、「善意には善意で返す」「敵意には敵意でちゃんと返す」「相手が真剣に調べてきている時には、クオリティを担保して返す」と、最後までブレることはなかったが、
「石丸氏が話したミラーリングについて、早速、選挙特番での山崎に敵意があったとは到底考えられないと総ツッコミが入ってます。結局、自分優位の立場を意地でも崩さない石丸氏にあきれ果てる人たちが、日に日に増えていく印象ですね」(週刊誌記者)
また、都知事選関連以外では7月9日、立憲民主党の米山隆一衆院議員が、安芸高田市長時代の選挙ポスター費用をめぐる裁判について、厳しく言及した。
選挙ポスターの製作を受注した広島市の会社が、代金の未払い分があるとして石丸氏に約72万円の支払いを求めた訴訟だが、一審と二審判決では石丸氏が代金を支払うと判断された。
ところが、それをさらに最高裁まで持ち込んだ石丸氏に対し、米山氏は「この手の商取引の支払い訴訟で、一審二審で負けたのに、最高裁までもっていくのはただ単に意地になって相手に嫌がらせをしているだけ」と、石丸氏の人間性をぶった斬った。
同問題では、弁護士の紀藤正樹氏がXで「最高裁判決を前提とすると石丸氏はほとんどモンスタークレーマー」と非難している。
とにかく、急激にアンチや敵を増やしている石丸氏だが、著名人で唯一味方といっていいのが、ホリエモンこと実業家・堀江貴文氏だ。
石丸氏とYouTubeで〝なごやか〟に対談したことがある堀江氏だが、話題となっている
選挙特番での対応について「BotとかChatGPTでも答えられるような質問にいちいち答えるのダルいっすよ。それでも答えろと?」と普段の口調で擁護すると、7月10日に更新したXでは「適当に答えられないんだろうな。真面目なんだよ」と、やはり石丸氏をフォローした。
わかる人にはわかる、石丸氏の良さはきっとあるはずだ。だが、国政や都政を担おうというのであれば「敵意には敵意を」では納得できない有権者が出てくるのは当然。そこを懸念する人たちには、石丸氏の対応が「独りよがり」に見えてしまっているのだろう。
アンチを作る天才、石丸氏が今後どういった形で公の場に出てくるのか、非常に興味深いところだ。
(飯野さつき)