立憲民主党の野田佳彦元首相は9月の党代表選について、国民に関心を持ってもらうための考えを明らかにした。ただ、党内からは、
「その前に7月の都知事選での惨敗の総括をする方が先では」(中堅議員)
との声が出ている。
野田氏はこのほど公開されたYouTube番組「選挙ドットコムちゃんねる」のインタビューで、「政界の星野仙一」を目指してきたと明かした。
「星野仙一はジャイアンツに行かなかったから、星野でしょ」
「ライバルを倒そう、というのが、私がずっと願っていることです」
プロ野球選手として、そして監督としても優勝した「炎の男」に自らをなぞらえ、「打倒自民党」を強調したのだった。
そのためにも、代表選は重要なイベントとなる。野田氏は言う。
「立憲の代表選は投開票日も含めて、自民党総裁選の日程と完全に重ねるべき。(代表選を)やるからには、国民が関心を持ってもらうようにしたい」
「この中で、将来の総理大臣は誰が一番いいか」がはっきりするからだという。
さらに、テレビ局が立憲民主党の代表選を取り上げてくれなかった時の対策として、プロレス好きらしく、
「もし取り上げてくれなかったら、自民党本部に他流試合を申し込みに行けばいい」
もっとも、野田氏は浮かれてばかりもいられない。都知事選で野田氏が支援した蓮舫氏は2位どころか、3位と惨敗した。元宮崎県知事で都知事選にも出馬したことがある東国原英夫氏からはXで〈立憲さんも都知事選惨敗のけじめを取るべきでは?〉と突っ込まれている。
蓮舫氏は都知事選で当選できなくても、小池百合子知事に善戦することで、代表選に向けて野田氏復活のムードを高めよう、との狙いがあったと、立憲民主党内では言われている。ところが3位に沈んだため、その皮算用が吹っ飛んだ。立憲内は呆然自失の状態だ。前出の中堅議員は、
「戦犯のひとりでもある野田さんがのんきに『自民党総裁選と同じ日程を」と主張しても、かえって代表選の盛り上がりの欠如が際立つだけでは」
と語るのだった。
(奈良原徹/政治ジャーナリスト)