かつて巨人時代に「松井秀喜の後継者」と言われたDeNAの大田泰示が、土俵際に追い込まれている。ゴールデンルーキーの度会隆輝、梶原昂希、蝦名達夫が台頭し、世代交代の波に押し流されているのだ。桑原将志、佐野恵太、関根大気らレギュラー陣がおり、出場機会が激減。今季は1軍出場がまだない。
走力が落ち、体の状態が減退していることで、3月のオープン戦で「左ハムストリングの肉離れ」を発症して出遅れた。復帰後はイースタンリーグに出場するも、打率2割4分3厘、0本塁打と衰えは隠せない。年俸5000万円の不良債権となっている状態だ。
東海大相模高校で通算65本塁打して、「超高校級」と騒がれた。東海大学への進学を表明していたが、翻意して2008年のドラフト会議で1位指名され、巨人に入団。松井秀喜の背番号55を受け継いだ。2016年11月に日本ハムへ交換トレードで移籍て翌年からレギュラーとなり、大ブレイク。FA権を取得した2021年に、日本ハムから来シーズンの保有権を放棄される「ノンテンダー」として自由契約になり、DeNAに移籍した。
仮にこのまま引退を余儀なくされた場合、どういった道に進むのだろうか。スポーツ紙デスクの見解はこうだ。
「社交性があり、球界内の人脈が広いことで知られます。東海大学系列閥のある巨人に出戻り、ファームのコーチに採用される可能性がありますね。人格が優れていて、取材には誠実に答える。そういった面では、広報担当などの球団スタッフとしても引きはあるでしょう」
来年、大田はどういった進路をとっているのか。
(渡辺優)