7月に行われた格闘技イベント「超RIZIN.3」のメインイベントで朝倉未来に勝利した平本蓮に、ドーピング疑惑が浮上し、騒動になっている。
RIZINのリングでは昨年6月、参戦していた元K-1王者の木村〝フィリップ〟ミノルが、RIZINの全大会で行われているWADA基準(世界アンチ・ドーピング機構)のドーピング検査で陽性となり、失格に。
遡って複数の試合が無効試合となり、半年間の出場停止処分に。11月に再び行われた検査でも陽性になったが、その後に陰性の結果が出ると、何事もなかったかのように、RIZINや他のリングに参戦している。
「木村は前から言われていたので『クロ』でもファンは驚かなかった。しかし、負けた朝倉が引退を宣言し、今後のRIZINのエースになるはずの平本のドーピング騒動は、ファンに衝撃を与えました。平本ファンは擁護の声を上げ、アンチとバチバチになっている」(格闘技担当記者)
コトの発端は、8月に入りSNSなどで平本がステロイドを使用したことを示唆する真偽不明の音声データが拡散したことにある。これにRIZIN主催者側は「検査結果が出てから」と静観の構えだった。
ところが平本にドーピングを指南したとされる格闘家の赤沢幸典が8月29日、自身のXで音声データの通話相手が自身であることを明かすと、衝撃の告白を。
〈彼の「RIZINの尿検査で陽性が出ないドーピングの方法を教えてほしい」という強い依頼に応える形で今回の件に至りました〉
さらには決定的な証拠と思われる、禁止薬物14万1450円分の見積書と、平本が赤沢にそれと同額を振り込んだ銀行口座の出入金明細の画像をアップしたのである。前出の格闘技担当記者は、こう断じる。
「もはや平本が言い訳するのは難しい。おそらく赤沢は日本の格闘技界から永久追放の厳しい処分を食らうと思います。平本は謝罪してほとぼりが冷めた頃に復帰できそうですが、気持ちが切れて引退してしまうかもしれません」
そしてこの件をきかっけに目を向けられるのが、他の国内プロスポーツのドーピング事情だ。スポーツ紙記者が解説する。
「プロ野球は以前から抜き打ちで検査をしており、外国人選手ぐらいしか引っかかっていないものの、厳しい処分を下されています。国内のアスリートは『ドーピングはやらないのが当たり前』という認識。ところが、ある2つのプロスポーツは、体をデカくしなければならないというのもあるが、ドーピングを推奨された上に検査もない。残念ながら、それが暗黙の了解になってしまっています。2つのスポーツのうち、片方の元選手に聞いたところ『(ドーピングを)使うか、(競技を)辞めるか選べと言われた。そのぐらいのレベルで蔓延しています』と。彼は体への負担を考えて、引退を選んだことを明かしてくれました」
想像以上に、プロスポーツ界の闇は深いのである。
(高木光一)