日本時間9月4日から、大谷翔平は古巣エンゼルスと2連戦に臨む。公式戦で初めてエンゼル・スタジアムのグラウンドに立つわけだが、それに先駆けて、ドジャースのデーブ・ロバーツ監督が意味シンなことを言っていた。
「彼(大谷)は休みだよ」
大谷と古巣の対決を楽しみにしているファンは多い。ところが「大谷は休養日」発言は単なるジョークではなかったようだ。
大谷は前人未到の「50-50」(50本塁打+50盗塁)に挑んでいる。ファンはもちろん、米メディアの関心も高いが、
「大記録達成への期待が大きすぎるため、本当に大谷を休ませることができなくなってしまったんです」(現地ジャーナリスト)
ドジャースの地区優勝マジックナンバーが点灯しているからといって、安泰ではないのだ。一時期は2位球団を10ゲーム差以上も引き離していた。しかし故障者続出で負けが込み始め、2位ダイヤモンドバックスとのゲーム差は5に縮まった。
近年のドジャースは地区優勝こそ果たすが、その後のポストシーズンマッチで勝ち星を挙げることができないでいる。ロバーツ監督は今季9年目だが、過去8年間での地区優勝は7回。しかし、ワールドシリーズ制覇は2020年の1回だけだ。
「ファンは地区優勝は当然、ワールドシリーズ制覇への通過点だと捉えています。極点な話、故障している選手はポストシーズンマッチに帰ってくればいいし、調子を落としている選手もポストシーズンマッチで活躍してくれたら、それでいいと、ファンは考えています」(前出・現地ジャーナリスト)
ここにきて、主力選手にも「地区優勝後」に備えて休養日が与えられるようになってきた。大谷だけが休めず、体力的負担を懸念する声が出始めたが、
「昨年メスを入れた右肘のリハビリを兼ねて、DHではなく、外野守備に入るとの情報が出ています。投手復帰の試運転でマウンドに立つ話もありますね」(メジャー関係者)
ホームランと盗塁は、打率成績のように上下しない。しかし、フルスイングと全力疾走が続けなければ、50-50は達成できない。地区優勝後の大谷は大丈夫なのか。
(飯山満/スポーツライター)