時期尚早と言うなかれ。年末恒例の「新語・流行語大賞」に、早くも展開が見えたというウワサが流れているのだ。
毎年、賛否を含め、ああだこうだと話題になる「新語・流行語大賞」だが、実はここ数年はまったく「面白くない」「納得できない」という評価が大半というのをご存じだろうか。
その理由とは2021年以降、大賞に選ばれたのがすべて「野球」絡みだったから。
2021年は大谷翔平のメジャー大ブレイクによる「リアル二刀流/ショータイム」だったが、これは世間の老若男女がある程度は認めていた。
ところが、22年はヤクルトスワローズの村上宗隆が王貞治氏の日本人本塁打記録を更新したことによる「村神様」、さらに昨年は阪神タイガースの岡田彰布監督が優勝を指して使った「アレ」が選ばれた。だが、この立て続けの野球ワードは国民から総スカンを食らってしまった。野球ファンを除く、世の人たちの大半が「村神様」も「アレ」も何のことかさっぱり理解していなかったからだ。
特に「アレ」は、あるネットアンケートで95%以上の人が「納得していない」と答えている。
「女性にとって『アレ』は生理のことだと、あきれる人が多かったですね。しかし、今年はどうやらついに野球から脱却できそうなのです」
と語るのは、トレンド問題に詳しい週刊誌記者だ。
9月4日、パワハラ疑惑で内部告発されている兵庫県の斎藤元彦知事にまた新たな疑惑が告発されたと話題となった。それは県職員を対象に行われたアンケートで、中間報告以降に集まった約2000人の回答によって発覚したのだが、
「斎藤知事が参加した会議が開かれたホテルで、当日になって予約制の夕食を取りたいと知事が言い出したというのです。しかし、あまりに急遽な申し出にホテルから職員が断られると、斎藤知事が『俺は知事だぞ』と激怒したといいます。また、県内の施設を視察した際には、斎藤知事が一般のトイレでは身だしなみがチェックできないと要望し、職員らが鏡と手洗いのある障害者らのための多目的トイレを一時的に知事用に案内したとの証言もあったようですね。とにかく叩けば疑惑の出る斎藤知事ですが、主役はお決まりの発言のことです」(前出・週刊誌記者)
お決まりの発言とは、記者の説明にもあった「俺は知事だぞ」だ。
このセリフ、斎藤知事が閉店時間を過ぎた喫茶店でクレームを付けたとされる際に発せられたと言われているが、百条委員会で真偽を問われた知事は「言っていません。スタッフの方が大きい声で早く出て行ってくださいと言われたので、びっくりして『兵庫県知事です』と名乗った」と発言している。これに対し、前出の週刊誌記者は苦笑いだ。
「言い方こそ違えど、自分は『兵庫県知事』だと言って、思いっきり権力を誇示している。結局は言ってるじゃないかと人々に強い印象を植え付けました。その後はどんな疑惑が持ち上がろうと『俺は知事だぞ』がセットで語られるようになったわけです」
このプチ流行語は、ついには世間ではアレンジされて大喜利のように使われているのだ。例えば、何かを指摘された際に「俺はアルバイトだぞ」「俺はバツイチだぞ」と、そのテーマにあった言葉に変えて言い返す手法が1つだが、そんなやり取りがSNSでは繰り広げられている。
「はっきり言えば、往生際の悪い兵庫県知事へのあてつけでしょう。しかしここまで大勢に使われるなら、もはや流行語大賞でいいのではないか、もう決定だろうという声が充満していますね」(前出・週刊誌記者)
大賞に選ばれたあかつきには、斎藤知事にぜひ表彰式に登壇していただき「俺は知事だぞ」と言い放ってほしい。
(高木莉子)