自民党総裁選(9月27日投開票)への立候補を表明した高市早苗経済安全保障担当相は9月9日の出馬会見で、選択的夫婦別姓問題について「1年以内に結論を出す」と言い切った小泉進次郎元環境相を痛烈に皮肉った。
「先般、選択的夫婦別氏制度を実現するとおっしゃっていた候補予定者の中に、不動産登記ができないじゃないか、と答えておられた方がいたんですが、不動産登記できます。4月から旧氏(旧姓)でできるようになっておりますので、少し正しく皆様に知識を持ってもらって、できるだけ多くの方が不便を感じない、その第一歩となる法律をまず成立させたいと思います」
暗に批判された小泉氏は9月6日の出馬会見で、こう主張していた。
「旧姓使用のままだと、多くの金融機関では旧姓で銀行口座やクレジットカードを作ることはできません。そして旧姓では、不動産登記ができません」
そして選択的夫婦別姓の導入の必要性を強調したのである。
高市氏は通称使用を進める法案を議員立法として提案したほか、総務相の時も同省が所管する全法令を見直し、戸籍姓しか使えなかったのを旧姓の単記か併記ができるよう変更し、改善できたものだけで1042件あったことを挙げて、にこやかに「私には実積がある」と自信を示した。
総裁選では選択的夫婦別姓問題をめぐる「早苗VS進次郎」の対決が白熱しそうである。
(田中紘二/政治ジャーナリスト)