9月10日から16日にかけて激闘が続いた、プロ野球・セントラル・リーグ〝運命の7連戦〟は予想通り、各チームの明暗を大きく分けてしまった。
7連戦の直前、広島に1ゲーム差で首位だった巨人は5勝2敗と貯金を3つ増やし、首位をがっちりキープ。
巨人は広島との首位攻防戦を3連勝し、10日に先発した菅野智之を中4日の中日戦で登板させたが、先発の枚数が不足している巨人にとってこれが大きかった。
今週は上位のDeNA、広島、阪神とそれぞれ2連戦。18日のDeNA戦に勝ちか引き分けででマジック8もしくか9が点灯するが、この6連戦を同一チームに連敗することなく五分以上でいければ、優勝の可能性はかなりグッと高くなるだろう。
一方、2位で巨人を追走していた広島は巨人戦に3連敗すると、続く阪神戦も連敗。7連戦を1勝6敗と大きく負け越し、3位に転落している。
「広島の失速はある程度予期していましたが、やはりマツダで巨人に3タテを食らったのは痛すぎました。巨人とのゲーム差は5と、残り試合数を考えると優勝は絶望的です。それ以上に4位のDeNAに1ゲーム差と迫られ、チーム状況を考えるとCS出場さえ危ない」(在京スポーツ紙記者)
その広島に代わって2位に上がったのが阪神。DeNAと1勝1敗(雨で1試合中止)の後、広島とヤクルトにそれぞれ連勝。貯金を4つ増やし巨人と2ゲーム差に迫った。
在阪スポーツ紙デスクは、逆転優勝の可能性に言及する。
「残りの日程で巨人は6連戦、5連戦がありますが、阪神は最大で4連戦。試合間隔があくので投手陣の負担が楽になり、22日からの巨人2連戦はビーズリー、高橋遥人の必勝態勢でいける。むしろ余裕があるのは阪神の方でしょう」
そんな阪神に有利なデータを1つ。現在両チームは引分け数が6で並び、このままいけば同率首位でシーズンを終える可能性がある。
セ・リーグのアグリーメントでは①勝率、②勝利数で並んだ場合は③当該球団の直接対戦成績で決定する。現在両球団の対戦成績は11勝11敗1分の五分。②まで並んだ場合、対戦成績で優勝が決まるが、ここも並んだ場合、④同一リーグ内の対戦成績、で決定する。交流試合は巨人が8勝9敗1分、阪神が7勝11敗。つまり、④は阪神が上位となるのだ。巨人としては阪神戦で1敗すると、阪神と同率でも優勝をさらわれることになる。
日程と投手陣に若干の利がある阪神が、逆転で「アレンパ」を決める可能性は見た目以上に高いのだ。
(石見剣)