ロシア政府の犯罪活動を調査する英シンクタンクのサイト「ドシエ・センター」が明かしたのは、日本でも大人気だった美人新体操選手の動向だった。
それは2004年のアテネ五輪で金メダルを獲得した、ロシアのアリーナ・カバエワ。1998年に15歳で欧州選手権を制するや、瞬く間に世界のトップに躍り出て、1999年、2003年の世界選手権で、個人総合を連覇。長身から繰り出すダイナミックな演技が日本でも支持を得て、写真集発売やCM出演、2001年には映画「RED SHADOW 赤影」(東映)に出演するほどの人気ぶりだった。
引退した2008年には、ロシア下院議員選挙で当選。その後、辞職して、2014年からはロシア最大のメディア・コングロマリット「ナショナル・メディア・グループ」の会長に就任し、巨万の富を築いている。
それと同時に「プーチン大統領の愛人」というニュースが出回る。ところが報道したメディアは直後に「謎の倒産」を遂げるなど、真相は藪の中へ。ただ、2013年の大統領の離婚後は名実ともにパートナーであると、世界的には認識されている(両者とも、公式には関係を否定)。
先のシンクタンクが明かしたのは、プーチン大統領とカバエワとの間に2人の息子がおり、長男はスイスで出産したということ。長男の名前はイワン、次男は大統領と同じウラジミールであるとの情報だった。国際ジャーナリストが解説する。
「これまでも2人の間に子供がいることは常に噂されていましたが、その詳細は明らかになっていませんでした。極秘裡に出産して『双子の娘がいる』とか『初子は2009年に生まれ、全部で4人の子供がいる』などと、情報が錯綜していたんです。今回のリークはある程度のウラを取った、確度の高い情報だとみられています」
カバエワは今や「西側諸国を敵に回した独裁者」の事実婚パートナーとして国際社会からマークされており、英米両政府から資産凍結などの制裁を受けるまでになった。子供たちはカバエワと隔離され、ロシア連邦の保護下で暮らしているという。
「ロシアのウクライナ侵攻後、カバエワは2022年4月に自身の慈善団体が主催する新体操イベントに出席したことがありますが、基本的には身柄を隠して生活しています。今はプーチン大統領も使った美容整形医の手術を受けているとされ、現役当時の美貌は変化していると言われています」(前出・国際ジャーナリスト)
世界を魅了した新体操界の女王は、ロシアの深い闇の中でかつての輝きを失いつつあるようだ。