米ロサンゼルスで行われた「第76回エミー賞」の授賞式で、真田広之が主演・プロデュースの「SHOGUN 将軍」がエミー賞史上最多の18冠を獲得したが、これでアンナ・サワイが最優秀主演女優賞を受賞し、エミー賞に輝いた初のアジア人女優となった。
真田は徳川家康にインスパイアされた武将・吉井虎永を演じたが、サワイは虎永のもとで戦乱の世を強く生き抜いた鞠子を演じ、見事に戴冠。受賞スピーチでは感謝の言葉を口にした。
「今まで支えてくれたお母さん、ありがとう。あなたのおかげで私は鞠子を演じて、今ここにいることができました。この受賞は全ての女性のためのものです」
ニュージーランド出身のサワイは、10歳の時に父親の仕事の関係で日本に移住。来日2年目の2004年、小学校6年生(12歳)の時に、1万人の応募者の中から舞台ミュージカル「アニー」の主人公に選出された。受賞の吉報を受けて、この舞台に出演した際の映像を放送するテレビ局もあった。
2006年12月には、大手レコード会社エイベックス主催のオーディションに合格。2012年、日本の5人組女性ボーカルグループARAのメンバーとして音楽活動を開始するも、翌年には解散してしまう。その後、2013年7月に5人組女性ダンスボーカルグループFAKYのリーダーとして、再デビューを果たした。
FAKYはJ-POPの枠を超えて世界に通用することを目指した楽曲と、日本発の文化やファッションを取り入れたビジュアルが特徴。世界進出を目指したが、現在は最先端を走るK-POPガールズグループのようなビジュアルや曲調が、当時の日本では全く受け入れられなかった。
サワイは約5年間の活動を経て2018年12月、女優としての夢を追求することを理由に、グループを卒業。同グループは今年7月に解散した。
「エイベックスは沢尻エリカ、生見愛瑠ら女優のマネージメント業務も行っていますが、サワイは海外への本格進出を目指して退所。せめてエイベックスは、日本での活動の窓口として業務提携ぐらいしておけば、国内での仕事が殺到したはず。『逃がした魚』はあまりにも大きすぎました」(芸能記者)
世界的な女優に成長しただけに、日本で仕事をする必要はなさそうだが…。
(高木光一)