Jリーグが2026年からの導入を決定した「秋春制」は、日本サッカーに何をもたらすのか。元日本代表のエース・城彰二氏が自身のYouTubeチャンネルで解説した。
「楽しみなこと、メリットとデメリットはある。でも日本サッカーを考えると、世界時計と合わせるのはメリットが多い」
秋春制にして欧州とカレンダーを合わせるメリットとしてよく言われるのが、Jリーグから欧州のクラブチームに移籍しやすくなること。現在の春秋制ではシーズン途中での移籍になり、スムーズにチームを移ることができない。それを解消するのが秋春制の利点だが、それだけではないと城氏は主張する。
「日本から海外に行くだけでなく、海外からJリーグに移籍しやすくなる。Jリーグに海外のいい選手がやってくれば、レベルアップにつながる。僕もJリーグで海外の選手と直接対戦したことで、レベルアップした。また力をつけることができるから、2026年が本当に楽しみ」
ただし、問題もある。降雪地域のチームの試合だ。城氏は、
「いちばん難しいのが、競技場までのアクセス。雪があると事故も増える。動線をどうするか」
寒い中で観戦することになるため、スタジアムの設備も変更が必要だと訴えた。城氏が所属していたスペインのレアル・バリャドリードのスタジアムでは、こんな対策がとられていたという。
「バリャドリードは『スペインの冷凍庫』って言われる場所で、雪が降るし、すごく寒い。でもスタジアムには電気のヒーターがついていて、観客は暖かくして見られる。上から照らす赤外線の暖房設備もあった。古いスタジアムなのに、ちゃんと対策されている」
Jリーグや日本サッカー協会は、同様にフォローすべきだと訴えたのである。
全員が納得するのは難しくとも、方向性を明確にして進めていくしかない。問題は多いが、城氏と同じく2026年のシーズン開幕が楽しみだ。
(鈴木誠)