一時期よく聞かれた「ひな壇芸人」という言葉がある。ところが予算削減、さらにはコロナ禍から始まったスタジオゲストの人数制限の流れから、今や形骸化してしまった。
そんなひな壇芸人の象徴とも言える存在だったのが、土田晃之だ。家電やサッカーなど使い減りしない雑学知識やMCへのツッコミ、そしてゲストの裏回しと、幅広いユーティリティー的な動きで活躍していた。
「最近、そうしたゲストで呼ばれる機会がめっきり少なくなりましたね。レギュラー番組は『ジョブチューン アノ職業のヒミツぶっちゃけます!』(TBS系)、『そこ曲がったら、櫻坂?』『ぴったり にちようチャップリン』(ともにテレビ東京系)の3本。『土田晃之 日曜のへそ』(ニッポン放送)というラジオ番組も担当していますが、こうしたレギュラー以外では、あまり見かけません」(放送作家)
所属は太田プロダクション。金払いはきちんとしている、と言われる事務所だ。土田のギャラ単価からしても、おそらく3000万円は稼いでいるため、ゲストとして呼ばれなくても全く支障がない。このところの露出減はいささか気にはなるが…。
「同じ太田プロ在籍のアルコ&ピース・平子祐希が台頭してきている印象です。彼もレギュラー番組こそ『プチプランチ』(TBS系)など地味なものの、単発のゲストとしてなにかと呼ばれる場面が多くなってきました。『シューイチ』(日本テレビ系)ではロバート・秋山竜次と『体格ブラザーズ』として不定期出演し、好評を博しています」(前出・放送作家)
両者を比べることでもないが、平子が土田の席を徐々に埋めている気がするのだ。
「土田のガヤは強めな時が多く、スタジオをピリッとさせることがありますが、平子のそれはその場を崩さず、ソフトです。4人の子供がいる土田は愛妻家として知られ、2人の子供がいる平子ともども、背景に『家族』のイメージを持ちますね。子供のうち3人が成人している土田より、13歳と10歳という思春期の子を抱える平子の話を聞いてみたい、というのもあるのかもしれません。ギャラの面では平子の方が単価が低かったり、スタッフの評判といった点で平子を挙げる声が多いのかもしれません」(バラエティー番組関係者)
裏回しという点では土田が優れているのかもしれないが、人当たりがよく柔らかいイメージの平子が、より求められているのだろう。
(坂上友之助)