芥川賞作品としては空前の200万部を突破し、今や大作家となったピースの又吉直樹(35)。そんな“時の人”でありながら、私生活は「地味~」に徹している生現場を目撃した!
8月4日に、芥川賞受賞作品として歴代最多の累計発行部数が209万部になることが発表され、同作品を掲載する文藝春秋9月特別号は異例の92万部を発行するなど、まだまだ勢いが止まらない「火花」。
だが、その著者である又吉大先生の「臨時収入」はいくらになるのか? 吉本興業の事情に詳しい放送作家が明かす。
「田村裕の『ホームレス中学生』(07年)は225万部で、印税10%のうち3分の1が吉本の取り分。それを差し引いて約2億円が田村に入った。田村は『8カ月で使い果たした』と明かしています。又吉にも約2億以上が入ることは確実です」
経済的にも“打ち上げ状態”となった「火花」。そんな渦中にある7月下旬、記者は東京・世田谷区にある居酒屋で又吉大先生に遭遇した。店のカウンターでハイボールをすすっていると、真後ろにいた業界風の男5人のテーブルから歓声が起きる。
「いよっ、芥川賞作家!」
その声に包まれて登場したのは、どうやら又吉であるらしい。
聞き耳を立てていると、抑揚のない独特のトーンは、確かに又吉そのもの。首を曲げて姿を見ると、彫りの深い顔だちながら「死神」とあだ名される不気味さも本人に間違いない。
ところが、混んでいる店内なのに又吉に大騒ぎする気配はなし。それどころか店の女将は、バイトの店員にこんな耳打ちをする。
「さっき入ってきた縄文人みたいな男って不気味よね。不審者かと思ったわよ」
又吉はグレーのスウェットの上下にビーチサンダルという地味~なスタイル。さらに、自慢のソバージュをキノコのように立てているため、縄文人には見えても誰も又吉と気づかない。
「次は女の子のいる店行きましょうよ。又吉さんと一緒なら俺たちもモテるから」
男たちに促され、スマホで立て続けにツーショットを撮っているが、それでも周りの客も店員も気づく様子はない。ある編集者が語る。
「文芸は1万部も売れれば御の字の時代です。大手出版各社では、専門の担当が編成され、連日吉本詣で、又吉さん詣でをして“柳の下のドジョウ”を量産しようと必死です」
芸能人オーラも芥川賞作家の威厳も皆無では、夜の嬢にもスルーされそうな又吉。編集者なら気づいたかもしれないが‥‥。