敗れた候補議員たちの今後はどうなるのか。中堅議員は次のように語る。
「まず河野さんだが、今後浮上する目はない。前回の総裁選では岸田文雄総理と決選投票にまで進んだのに、今回、国民人気が地に落ちていることが決定的になりました。上川さんは年齢的に総裁選出馬こそないが、女性閣僚をキープする意味合いで新内閣に残ってもおかしくはない。実務能力が高い林さんも何かしらのポジションには就くでしょう」
そして、しのぎを削った小泉元大臣や高市大臣は重用されるはず、とも続ける。
「いつ解散総選挙があってもおかしくない現状で、やはり進次郎人気は捨てがたい。彼が街頭演説に来れば、地方のオバさんたちはキャーキャー言うんですよ。私だって正直、自分の選挙区に来てほしい(笑)。選対委員長あたりが本命だけど、総務会長とか、内閣入りもあるうる。それと高市さんも絶対に何らかの要職に就くと思います。〝党内リベラル〟を標榜する石破さんですが、党内に3割いると言われる岩盤保守層からの〝防波堤〟になるからです。党内基盤の脆弱な石破さんにとって、右派からの突き上げは政権崩壊のきっかけになりかねません」
先行き不安な石破新総理が「ノーサイド内閣」を作り上げられるのか。
ただそれよりも喫緊の懸念は、新総理が目指す日本の方向性が、国民の益になるものかどうかだろう。山村氏が警鐘を鳴らす。
「石破さんは昔から、経済オンチとして有名。消費税について、候補者で唯一アンケートに『党税調と議論する』と答え増税に含みを残しました。財務省の言いなりになって10%以上にしようものなら‥‥。消費税導入と大企業・富裕層への減税が行われた89年からは『失われた30年』と言われ、日本の経済は衰退の一途をたどってきました。どれほどの影響があるか本当にわかっていたら、あのように回答することはありえないですよ」
消費税を上げれば庶民は買い控えを起こし、経済は停滞する。そんなことはこれまで何度も繰り返してきた自明の理ではないのか。
「石破さんは根っからのケチ。仲間や後輩議員におごったことなんか一度もないですし、『たかだか数%上げてなんでそこまで言うんだ?』とすら考えていそうです。常々『国民にも相応の負担を求める』と公言している人なんですからね」(中堅議員)
一応の解決策として、金融所得への課税強化や法人税の引き上げなどを政策に掲げているが、
「岸田政権の進めた『貯蓄から投資へ』の方針と完全に逆行している。それに今は一般の人だって株くらいやってますよ。むしろ先行き不安だから少しでも‥‥と思って株や新NISAにすがっているのに、そこから搾取しようなんて受け入れられるわけがないでしょう」(中堅議員)
どうやら庶民を見殺しにする政策が推進されそうだが、恐ろしいのはそれだけではない。
「最悪なのは、保守色のない石破さんは立憲民主党の野田佳彦新代表(67)と『バッチリ合う』と言われていることなんだよ。政策面でも類似点が多く、おまけに野田さんも無類のケチで、散髪は1000円カットの店しか行かないらしい(笑)。この与野党トップ2人の関係性もあってか、94年の村山富市元総理(100)の時のように、自民・公明・立憲・国民・維新の大連立が誕生する、なんてトンデモない噂まであるんだ。実際、立憲でも他の代表経験者らではなく野田さんになったことで、国民や維新とも相容れるからな。〝大連立メーカー〟には小沢一郎(82)の名前も見え隠れしている」(政界関係者)
清新さとは無縁の石破新総理に野田新代表だけでもお腹一杯なのに、「壊し屋・小沢」まで出てきたら、それはもう妖怪大戦争の様相を呈してくる。日本の未来は何処へ‥‥?