サッカー欧州クラブの頂点を決めるチャンピオンズリーグ(CL)のリーグフェーズ第2節が10月1日に行われたが、ボルシア・ドルトムント(ドイツ)VSセルティック(スコットランド)の一戦が波紋を広げている。
アウェーのセルティックは、日本代表のFW古橋亨梧とFW前田大然が先発出場。MF旗手怜央はベンチスタートである。
試合が始まると、前半7分にドルトムントがPKで先制点を奪った。それでもセルティックは2分後に、MFアルネ・エンゲルスのクロスを前田がゴールに押し込み、反撃ムードが漂った。だがここから、ドルトムントのゴールショーが幕を開ける。
前半だけで5点を奪うと、後半にも2点を追加。7-1というドルトムントの圧勝で終わった。
フルボッコにされたチームに、セルティックのサポーターは容赦ないブーイングを浴びせ、SNS上には批判のコメントが溢れ返った。
ここでクローズアップされたのが、スコティッシュ・プレミアシップ(スコットランド)の「実力」だ。
今シーズン、セルティックは開幕からリーグ6戦全勝。得点20、失点0という完璧な数字を残してスタートダッシュに成功していた。にもかかわらず、ドイツのブンデスリーガで5位(5節終了時点)の相手に、まったくもって歯が立たなかったのだ。
だが、そんなセルティックの内弁慶ぶりは、今季に限ったことではないと、欧州事情を知るサッカーライターが指摘する。
「セルティックは昨シーズンもCLに出場していますが、グループステージで1勝しかできずに予選敗退しています。特にアウェーではめっぽう弱く、相手サポーターのプレッシャーに押し潰されてしまう傾向にあります。敵地でのアトレチコ・マドリード戦には6-0の惨敗。サポーターの立場からすれば、2年連続で恥辱を味わうことになったわけです」
欧州5大リーグ(イングランド、スペイン、イタリア、ドイツ、フランス)の強豪にはまったく通用しない選手たちに、移籍マーケットは懐疑的な目を向けている。
「夏の移籍期間にはトッテナム(イングランド)が古橋に接触し、獲得を希望していると報じられたり、旗手にはスペインやイタリアのクラブが狙っているという話が浮上しました。しかし、結局は実現しなかった。強豪クラブは興味を持っても、即戦力になるとは考えなかったと言われています」(前出・サッカーライター)
同じように懐疑的な目は、日本代表にも影響している。セルティックの所属選手で森保ジャパンに定着しているのは前田だけだが、
「9月のワールドカップアジア最終予選に旗手が招集されたものの、2試合ともベンチ外。クラブでゴールを量産している古橋の待望論がたびたび出ていますが、今回のドルトムント戦を見ると、スコットランドリーグのレベルは低いと言わざるをえない。森保一監督が重宝していない理由がわかったと、もっぱらです」(前出・サッカーライター)
欧州の大舞台で結果を残してスコティッシュ・プレミアシップの価値を上げないかぎり、外野の批判を黙らせるのは難しい。
(風吹啓太)