今や性別や年齢を問わず、様々な人が取り組んでいる「推し活」。アイドルやアニメキャラクターなど、自分の好きな対象を応援する活動を指すのだが、とりわけ主婦の推し活が目立っている。なぜ主婦が夢中になるのか、その理由を探ってみた。
東京都内に住む30代の女性は、好きなアニメキャラクターの推し活に没頭している。ガチャガチャでグッズを集め、推しキャラが出なかった場合はSNSを通じて他のファンと交換をするなど、積極的に推し活を楽しんでいる。
「アニメキャラの推し活は、ほとんど家でできるところが魅力ですね。基本的にはアニメや漫画を見て、好きなキャラを見つけることから始まります。それからはひたすら、グッズを集めるだけ。ガチャガチャを回したり、コラボカフェに行ったりする時間を作る必要はありますが、アイドルのライブのように遠征することがないので、子供と一緒に行くこともできて、気軽に続けられるんです」
SNSを通じて同じアニメファンとつながり、グッズ交換を行うことに抵抗はないとして、続けて語る。
「昔、バンギャ(バンドギャル)をやっていて、その頃はお気に入りのバンドのチケットを手売りしていました。チケットの譲り合いも、当時はガラケーの掲示板を使って交渉していたので、知らない人とコミュニケーションを取るのには慣れています。私の周りでも、元バンギャやジャニオタだった主婦が推し活をしていることが多いですね」
主婦の間で推し活が流行している背景には、家事や子育てをしながら手軽に楽しめる点が大きく影響しているようだ。SNSを通じて同じ趣味を持つ人々と簡単にコミュニケーションを取れることも、魅力のひとつ。さらに、元々バンドやアイドルのファンであった経験から、人との交流やグッズ交換に慣れている。彼女たちは推し活を楽しむ「素養」をいくつも持っているのだ。
(カワノアユミ)