イギリス南部ソールズベリーから北西へ13キロほどの平野に立つ巨石建造物、ストーンヘンジ。1986年に世界文化遺産に登録されたこのストーンヘンジは、紀元前3000年から1500年頃に造られたとされる。中心に配置された15からなる石の中には、最大50トンともいわれるサーセンストーン(珪質砂岩)があり、こんな巨大な石を、いったい誰がどのような方法で、約30キロも離れたマールバラ・ダウンズから運び込んだのかが長い間、専門家らの間で大きな謎として立ちはだかっていた。
研究により、ブルーストーンなど小さな石は、ウェールズ地方のプレセリ丘陵から運ばれたものであることが判明。ただ、巨大なサーセン石がどんな方法で運ばれてきたのがわからなかった。
その後、コロなどを使って運び込まれたらしい、ということまでは判明したものの、肝心の目的については謎に包まれたまま。そのため、天文台説や王の墳墓説のほか、太陽崇拝に関係する場所だったのではないか、といった説が出ることに。この地域では以前からUFO目撃情報が多発していたこともあって、UFOの発着場なのではないか、という説も根強い。
ところが今年の夏、ストーンヘンジがあるウィルシャーの地元警察が情報公開請求に基づき、過去10年にわたる管内で発生したUFO及び宇宙人関連事件の全報告書を公表していたことが明らかになった。
このニュースを報じた英紙「デーリー・スター」によれば、UFOに関連した事件はここ10年だけでも相当数あり、例えば2016年9月には、ウィルシャーのスウィンドンという町で暮らす住民から、自宅に宇宙人が侵入したとの通報で警察が出動。家人いわく、家に入ってきた宇宙人と会話をしたのだと。ただ、危害を加えられることはなかったため、警察官は詳細を記録しなかったという。
「実はこの騒動があった同じ月には、ソールズベリーでも『宇宙人に誘拐された』という女性からの通報があり、警察が急行。こちらも本人に異変が見られなかったため、それ以上の捜査をすることはなかったようです」(UFO研究家)
しかし、事件はこれだけにとどまらず、2019年4月にはチッペナムで、全裸で歩く男性を警官が職務質問。すると男性は「宇宙人に誘拐された」と語ったのだと。その後も「UFOに遭遇した」「宇宙人に連れ去られそうになった」との通報が複数あったという。
にもかかわらず、警察が発表した報告書には、通報はその内容のみで、どう対応したかについての記述は含まれていなかった。そんなことからUFO専門家の間では、事実を隠蔽するために警察の内部資料を持ち去ったのではないかとの憶測が流れ、今もウィルシャーの町ではこの騒ぎが続いているそうだ。
(ジョン・ドゥ)