阪神の岡田彰布監督が、体調不良で全体練習を欠席した。岡田監督が全体練習を休むのは、2023年の就任以降、初めてとなる。球団からは「風邪の症状で病院を受診」とのアナウンスがあったが、今季の日程が終了したところで、どっと精神的な疲れが押し寄せてきたのではないか。
振り返れば2003年には、星野仙一監督が8月6日から24日までの「死のロード」を4勝11敗と大きく負け越し、夏以降に体調を崩した。持病の高血圧症が悪化したもので、試合中にも何度も倒れ、ベンチ裏で嘔吐。マスコミに知られないよう島野育夫ヘッドコーチが監督代行を務めたのは、知る人ぞ知る話だ。
監督業は肉体的にも精神的にもかなりハードだといわれる。過去にはこんな人たちが、監督時代を述懐している。
「睡眠薬を焼酎で流し込んで3時間寝られた」「夢の中でゾンビと格闘していた」(ソフトバンク・秋山幸二監督)
「ベンチ裏で試合開始直前まで点滴を打っていた」(広島・緒方孝市監督)
「医者にストレスの脱毛症と言われた」(中日・落合博満監督)
「歯を食いしばっているうち、顔(の筋肉)が固まってしまって…」(西武・松井稼頭央監督)
「酒を飲まないと寝られない」(DeNA・中畑清監督)
「我々が下した決断に反発する選手も出てきてしまう。なんとか理解してほしかったが…難しかった」(巨人・高橋由伸監督)
中には巨人・原辰徳監督のように「後にも先にも緊張したのはWBCの準決勝だけ」という鋼メンタルの人物もいるが、かなりのレアケースではなかろうか。
岡田監督は今季限りでの退任がすでに発表されているが、10月12日からはDeNAとのクライマックスシリーズ・ファーストステージが始まる。66歳という年齢を考えると、十分な休息をとって決戦への態勢を整えてほしいところだ。
(ケン高田)