本サイトが今年7月22日に公開した記事では、北朝鮮の独裁者・金正恩総書記がロシアの独裁者プーチン大統領と「密約」を交わし、北朝鮮軍の大規模部隊をウクライナに派兵することを確約した、との電撃情報を伝えた。
当該記事の公開当初、金正恩による大規模ウクライナ派兵については、懐疑的な見方が少なくなかった。
ところがウクライナのゼレンスキー大統領はつい最近、北大西洋条約機構(NATO)国防相理事会後の記者会見で、
「北朝鮮が1万人規模のウクライナ派兵を準備している」
と明言。韓国の情報機関である国家情報院も、北朝鮮が特殊部隊を含む4旅団(約1万2000人)の派兵を決定し、兵力の移動に着手した事実を公にしたのだ。
ゼレンスキー大統領の会見の少し前には、ウクライナ軍が東部ドネツク近郊の、ロシア側が支配する地域に対して行ったミサイル攻撃により、北朝鮮軍将校6名が「爆死した」との衝撃情報が、全世界を駆け巡った。
この時、爆死した北朝鮮将校らは大規模派兵のための訓練場に駐留していたとされる。将校6名を含む20人以上の北朝鮮軍関係者が死亡したほか、負傷した3名の北朝鮮軍将校が、治療のためにモスクワに移送されたと伝えられている。
これはほとんど報じられていないことだが、「北朝鮮将校6名爆死」の事実は、大規模派兵の先遣部隊としてウクライナに駐留させられている北朝鮮兵士らに、ただならぬ動揺と恐怖をもたらした。ウクライナ情勢に詳しい軍事専門家は、
「先遣部隊として派兵された北の将校や兵士らは、一度も実戦経験がない完全なアマチュア部隊。当然、ミサイル攻撃を受けることなど初めての経験でした」
そう指摘した上で、次のような現場の様子を明かすのだ。
「そのため、将校6名が爆死した事実を目の当たりにするや、複数の将校クラスが前線から逃げ去ったほか、多くの一般兵士からも敵前逃亡者が続出した。軍隊の体をほとんど成さない、混乱状況に陥っているのです。パレードなどの『軍事ごっこ』しか知らない彼らにとって、対ウクライナ最前線は『北の強制収容所よりも恐ろしい場所』なのです」
金正恩はついに「禁断のルビコン川」を渡ってしまったということだ。
(石森巌)