サッカー界のレジェンドで、元ウルグアイ代表のディエゴ・フォルランが、45歳でプロテニスプレイヤーに転身するという、驚きのニュースが飛び込んできた。
フォルランは2010年の南アフリカW杯で7試合5ゴールを挙げて得点王に輝き、母国を40年ぶりのベスト4に導いたことで「ゴールデンボール賞(大会MVP)」を獲得した。
マンチェスター・ユナイテッド(イングランド)、アトレティコ・マドリード(スペイン)、インテル・ミラノ(イタリア)など名門クラブを渡り歩くと、2014年にはJリーグのセレッソ大阪に電撃移籍する。
「入団会見では日本語で、異例のロングスピーチを披露。最後には『おおきに』と関西弁で挨拶までして、一気にサポーターのハートを鷲づかみにしましたね」(サッカーライター)
セレッソでは期待どおり、42試合で17ゴールを記録した。その後、所属クラブを転々としながら、2019年8月に現役を引退。それが今なぜ、プロテニスプレイヤーとして「現役復帰」するのか。前出のサッカーライターが事情を解説する。
「フォルラン一家は父が2度のW杯出場、母方の祖父はウルグアイ代表監督を務めるサッカー界のサラブレッドでした。お坊ちゃん気質で、子供の頃はサッカーだけではなく、テニスにも真剣に取り組んでいて、実は将来を嘱望される実力の持ち主だったのです。そんな中で父親からどちらを選ぶのか選択を迫られ、サッカーでプロを目指すことを決めたわけですが、テニスに関しても、サッカー同様の才能があったことは間違いありません」
現役時代は彫刻ボディと称されたが、その鍛え抜かれた鋼の肉体は衰えることなく、スパイクからテニスシューズに履き替えて、練習に打ち込んだ。
「昨年7月にテニスの国際大会に初出場すると、華麗なフットワークと力強いストロークが話題になりました。今年は国際テニス連盟管轄の大会である『MT1000リマ2024テニストーナメント』の45歳以上カテゴリーの男子シングルスに出場しています。そしてついに、11月に開催されるウルグアイ・オープンで、プロテニスプレイヤーとしてのデビューが決まりました」(前出・サッカーライター)
セレッソ時代は全体練習後に黙々とシュート練習を繰り返し、日本人よりも真面目すぎると言われたフォルラン。
テニス界の最強レジェンドとして、2022年に引退したロジャー・フェデラーがいるが、フェデラーは現在43歳。たらればだが、フォルランが先にテニスの道を選んでいたら、サッカー界でトップに君臨したその身体能力から考えて、強力なライバル同士になっていた可能性はあろう。
動画を見ても、決してお遊びレベルではない。「第2の人生」に本気になったオールドルーキーが、今度はテニス界でMVP級の活躍を見せてくれるのだろうか。
(風吹啓太)