昨年リニューアルされた京都芝重賞は「欧州型血統」が走りやすくなっています。特に父か母父が欧州型、かつ「サンデーサイレンスの血」を持つ馬の好走数が増えています。
数年前までの日本の芝競馬は、例えばコントレイル、グランアレグリア、スワーヴリチャードなど、サンデー系に米国血統を強化した馬が走りやすかったのですが、今の時代の京都芝は米国を強化した馬よりも、欧州血統を強化した馬の方が走りやすいのです。先日の菊花賞も勝ったアーバンシックは、母父が欧州型のハービンジャー。同種牡馬はイギリスの芝2400メートルで争われるキングジョージ6世&クイーンエリザベスSを圧勝した馬。
今年の秋華賞馬チェルヴィニアも父がハービンジャーですし、菊花賞2着のヘデントールの父は欧州型のルーラーシップ。そして母父のステイゴールドは凱旋門賞でも産駒が複数結果を出しています。さらに同3着アドマイヤテラも、父は欧州型のレイデオロです。リニューアル後、初施行だった昨年のエリザベス女王杯もルージュエヴァイユが5番人気で2着と人気以上に走りました。父はジャスタウェイ、母父は欧州のスーパーサイヤー、フランケルというように、父がサンデー系で母父が欧州型。
このように、リニューアル以降の京都芝2200メートル重賞は、母父が欧州型、父サンデー系の配合馬が特に走りやすく、連対馬7頭中6頭が該当します。
エリザベス女王杯と同コースで行われた今年の京都新聞杯も父ディープ系(大系統サンデー系)×母父欧州型の配合馬が1~3着を独占しました。
レガレイラの母父はハービンジャー。秋華賞を勝ったチェルヴィニアの父であり、菊花賞を勝ったアーバンシックの母父。今の京都芝中長距離GⅠに相性のいい欧州型種牡馬の中で、最も適性、能力に優れた種牡馬であり、育成牧場はノーザンファーム天栄。チェルヴィニア、アーバンシックも同牧場の育成馬です。
ハービンジャーは育成方法が難しいので、コツを知っている育成者が育てることも重要なのですが、父スワーヴリチャードで祖母がランズエッジというのもアーバンシックと同じ。鞍上も恐らくルメール騎手。
多くの競馬ファンもそう騒ぐかもしれませんが、これらの元ネタを10年以上前から本誌でも書いてるのは、ボクです(笑)。
亀谷敬正(かめたに・たかまさ)テレビ、専門誌などでカリスマ的人気の若手血統馬券師。HPはhttp://www.k-beam.com 推奨レース、期待値の高いデータ満載の出走表も配信中。著書「Mの法則×血統ビーム 誰でも使える血統買いパターン」(オーパーツ・パブリッシング)他多数