11月3日、東京開催でのメインは、アルゼンチン共和国杯。3歳上オープンによるハンデ戦で、伝統ある目黒記念と同じ舞台設定。馬券的にも面白く、見応えある一戦だ。
08年スクリーンヒーローのように、ここで勝ち負けして、その勢いでジャパンカップをモノにする馬も出ることから、目を離すことができない重要な位置づけにある重賞。今年の顔ぶれに一線級は見当たらないが、それでもクセ者がそろい、これにハンデの味付けが加わるのだから、どんな決着をみるかは簡単ではなく、興味は尽きない。
目黒記念3着以来5カ月ぶりになるが、今年の重賞3戦ですべて馬券に絡んでいるクロミナンス、札幌でオープンを連勝したショウナンバシット、新潟記念2着惜敗のセレシオン、長丁場の重賞で善戦し続けるマイネルウィルトス、人気薄ながら京都大賞典で3着に好走したメイショウブレゲなど、メンバーは多彩だ。
まずは過去の傾向を見てみよう。
02年に馬単が導入されて以降、これまでの22年間、その馬単での万馬券は6回(馬連は2回)。この間、1番人気馬は6勝(2着4回)、2番人気馬も6勝(2着3回)。一見するとそう荒れるレースではなさそうだが、1、2番人気馬によるワンツー決着は2回のみ。やはり簡単には決まりそうにない。
ただ、年齢的には4歳馬が12勝(2着8回)、5歳馬が4勝(2着7回)と、この両世代が圧倒的な強さをみせており、ハンデ的には意外にも56キロ以上の重い斤量を背負わされた馬がよく連対を果たしている。6歳以上の古馬より、実績のある4、5歳馬を中心視するのが馬券的には正解か。
当方が狙ってみたいのもその4歳馬、マイネルメモリーだ。
前走のケフェウスSは5着に敗れたが、出遅れが響いたもの。それに体重が減り気味(2走連続で前走比マイナス6キロ)で、落ち着きを欠いていた。それでもしまいは最速の上がり脚を使っていた。
この中間は減っていた体重も元に戻り、馬体の作りもよく見える。稽古の動きも軽快だった。なら、やれていいのではないか。
今回はオープン昇級後2戦目で前進が見込める上、末脚に磨きがかかっており、しまいのよさを生かすにはもってこいの舞台。ハンデは恐らく54〜55キロ。良馬場条件に〝一発〟があっても不思議はない。
穴馬をもう1頭。こちらも4歳の牝馬タイセイフェリークだ。
まだ3勝クラスの身だが能力を秘めている。東京コースは〈0 2 0 0〉と相性がよく、ベスラー(愛1000ギニー)やレーヴドスカー(サンタラリ賞)など、近親、一族に活躍馬がズラリといる良血。ハンデは恐らく52〜53キロ。大駆けがあっていい。