荒れると断言した京都のスワンS(10月26日)で、ダノンマッキンリーの単勝とオフトレイルとの馬連をブチ当てた関東在住の馬券師ライターT氏だが、さすがに9歳馬(13番人気3着トゥラヴェスーラ)までは手が出なかったようだ。
「2着から13着までの着差が0.5秒の大接戦。先週話したように、人気馬が期待以上に走らなかったことで、何が来てもおかしくない展開になったのはいいが、4角で1・2着馬とほぼ同じ位置にいた9歳馬が3着になだれ込んでしまった」
しかし、荒れる宣言は間違いではなかったと気を取り直したT氏が、今週の注目レースとして挙げたのは、11月2日に行われる2歳重賞「京王杯2歳ステークス」だ。
T氏が推奨するだけあって、確かに過去4年間の3連単平均配当は約62万円と、もの凄い。この数字は2022年に222万円という超大荒れ配当が出たことが大きいが、この年を抜いても3連単の平均が9万円超えと、やはり荒れ決着が続いている。この傾向について、T氏はこう説明する。
「なぜ荒れるか。芝1400メートルという、翌年の皐月賞や日本ダービーといったGⅠを目指す馬が、もともと視野に入れていない距離のレースだからです。先週のスワンSと同じ理屈ですね。何が激走するかわからない上に、別の距離で好走してきた馬が、押し出されて人気になる。そして凡走する。それが毎年繰り返されているというわけです」
とはいえ、古馬のレースとは違う、最多でキャリア3戦という若駒が並ぶ2歳戦だ。どこから手を出せばいいのか。T氏が続ける。
「ここ4年間で穴をあけた馬、すなわち2020年3着ユングヴィ(5番人気)、2022年1着オオバンブルマイ(10番人気)、2023年2着ロジリオン(8番人気)…これらは全て、前走で左回りの1400メートルで初勝利を挙げている。キャリアは少ないながら、こんな些細な経験則がものを言い、他距離の重賞や1勝クラスで好走してきた人気馬を尻目に好走したわけです。今回ならバニーラビット、レモンバーム、牝馬のマリノトニトゥルスが該当する。この中から馬券になる馬が、確実に1頭は出ることでしょう」
スワンSで人気馬をごぼう抜きしたダノンマッキンリーも、1400メートルの猛者だった。ちなみに今回の出走馬14頭の中で、挙げられた3頭の事前人気予想はそれぞれ9番人気、4番人気、12番人気だ。T氏が付け加える。
「このレースを何年遡っても、牝馬は上位人気しか馬券にならない傾向がある。これでマリノは外せます。となると、バニーラビットかレモンバームか。毎年、8番人気以下の馬が馬券になって荒れているわけですから、迷わずバニーラビットが本命でしょう。レモンバームも押さえたいですがね。上位人気3頭はどれも消したいです。エイシンワンドは1200メートルで2戦2勝。距離が伸びたら信用できない。マイネルチケットは距離短縮で来ており、こちらはむしろ距離が伸びた方がいいタイプ。ただし、もう1頭のヒシアマンは、1500メートルという特殊距離を勝ってきている。これだけは外しづらい。バニーラビットと組ませるなら、ヒシアマンでしょう」
スワンSに続くT氏のサタデー勝負馬券は、下位人気のバニーラビットと上位人気のヒシアマンの2頭軸マルチで、高配当になる相手を探る、という結論だ。
GⅠレースのない中休みウィークエンドも、油断せずバシッと儲けようではないか。
(宮村仁)