社会

酒酔い・ノーヘル・逆走・歩道走行…なんでもアリ!タイ旅行で事故死が多発する「バイクタクシー」の危険度

 日本人に人気の高い旅行先として上位に挙げられる、東南アジアのタイ。現地ではバイクタクシーが観光客や現地住民に広く利用されているが、事故のリスクが高いのも事実だ。バンコク在住の旅行業従事者によれば、

「この国ではバイクの事故が多く、その主な原因はバイクタクシーにあると言われています。逆走したり、歩道を走ったりするのをよく見ますし、ウインカーを出さずに車線変更をすることもしばしば。オレンジ色のベストを着たバイクタクシーに乗ればヘルメットを貸してくれることがありますが、配車アプリで呼んだバイクではノーヘルメットで2人乗りが一般的です。ひどい場合には、アルコールの臭いをさせたまま運転している配車アプリのドライバーもいますね」

 そうした現実を象徴するかのような悲劇が起きた。「日本一楽しい韓国語先生」として、韓国旅行の役立つ情報や韓国語講座をSNSで発信し、若者層から人気が高かったサットンさんの事故死だ。韓国語講師、インフルエンサーとして活動していたサットンさんが、10月31日に他界したことが11月3日、弟によって公式インスタグラムで発表されたのだ。

 事故は10月6日、サットンさんのタイ旅行中に発生した。バイクタクシーに乗車中、トラックと衝突する事故に巻き込まれ、意識不明の重体に。同日、サットンさんの弟がインスタグラムで「今後もこの状態が長く続くと予想されます」と伝えたが、その後、回復することなく息を引き取ったとみられている。

 2023年のタイ交通事故報告によると、交通事故による年間死者数は1万4126人にのぼり、そのうち外国人が1943人。日本人は8人が死亡し、275人が負傷している。2016年にはタイの人口10万人あたりの交通事故死者数が32.7人に達し、アジアで最悪の水準とされた。

 タイでは旅行者でもバイクタクシーを手軽に利用できるが、現地の交通事情やドライバーの運転マナーには課題が多い。特に観光客は安全性の低さに配慮し、慎重な判断が必要となる。

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