やす子の勢いが止まらない。CMやバラエティー番組、そしてYouTube、ネットニュース…。2024年はやす子のための1年ではないか、とさえ思える。
元自衛官というキャリアを生かしたネタとトーク、そして迷彩服という分かりやすいビジュアル、敵を作らない明るいキャラクターと、売れる要素は十分。スキャンダルと無縁であることもまた、愛される理由だ。
今年の「24時間テレビ」のチャリティランナー就任にあたり、それまであまり明かしてこなかった、児童養護施設で育った過去を自ら告白。施設の設備充実を訴えて募金を募ったことが、イメージアップにひと役買った。
「ただし『24時間テレビ』前にフワちゃんにXで絡まれた際、芸人である以上、笑いで返さなかったのは正直、どうかと思いましたけどね。フワちゃんを『悪』、やす子を絶対的な『善』という構図でメディアが一斉に報じたことで、やす子の存在が神格化されてしまいました」(放送作家)
その象徴的な出来事が11月3日に起きた。やす子がXで、フワちゃんに関するニュースをリポストしたのだが、なぜかこの後、「まって、まじでリポストした記憶もないし リポストが消せないんですが!?」と、リポストしたのは自分ではないと主張。つまり、乗っ取り被害に遭ったと訴えたのだ。
「この件はニュースになりましたが、やす子を責め立てる論調ではありませんでした。しかし、これは完全に彼女の誤爆。乗っ取られていたら直後に『リポストが消えない』とは言いません。これが例えばフワちゃんなら、そのキャラクターもあいまって、批判にさらされていたことでしょう。やす子に関しては、あまり叩けない空気が生まれてしまっているのです」(芸能記者)
その後もメディアではやす子礼賛が続く。11月6日には、やす子がドジョウを飼い始めたことを報告するとともに「誰か結婚してください」と、唐突に結婚願望を口にした。これもまたニュースとして、好意的に書かれている。
「確かに後ろ暗い過去を経て前を向く姿勢や、明るいキャラが受けています。トーク番組で話すネタの完成度や、ロケやひな壇で入れるガヤも秀逸です。ただ、今後の伸びしろで言えば、あまりないのでは。彼女のマネージャーはとにかく仕事を入れることで知られていますが、もう少し出方を考えた方が、消費されないで済むのでは」(前出・放送作家)
事実、SNSの書き込みには、やす子についての本音がチラホラ見られる。
「大久保佳代子みたいに生き残れるとは思えない」
「もうこの人お腹いっぱい」
「ブームになっちゃダメなんだよね 細く長くいるようないないような、でも定期的に見かけるのが丁度いい」
「キャラだけで芸人としては面白いと思わない山田花子的な感じ」
とはいえ、年末の特番に向けて、やす子バブルはもう少し続きそうなのである。
(成宮東子)