DeNAの逆転日本一で幕を閉じた今年の日本シリーズ。その舞台裏をテレビ局スタッフが詳報証言する。
シリーズ期間中にネットニュースなどでバズったのは、ソフトバンク・村上隆行コーチの「暴走発言」だった。それはみずほペイペイドームでの第3戦直前のこと。
「恒例になっている、打撃コーチを報道陣が囲んだ時に、相手先発投手の東克樹について聞かれると、『オリックスの宮城大弥よりも下』という趣旨の発言がありました。これがDeNAベンチにも伝わり、DeNAナインは激怒。それまで2連勝していたソフトバンクは一気に逆襲され、4連敗を喫しました」
これで思い出すのは1989年、近鉄と巨人の日本シリーズ。お立ち台に上がった加藤哲郎の発言をめぐり、新聞紙上で「巨人は(パ・リーグ最下位の)ロッテより弱い」と解釈され、報じられたことで、Gナインが憤激モードに。4連勝して逆転日本一になったのだ。
今年の日本シリーズはこれの「再現」だとしてXなどで話題となり、加藤本人も公式Xに書き込むなど、大いに盛り上がった。
「今回の火付け役は、某スポーツ新聞のネット記事ですよ。村上コーチが言っていたのはあくまで、宮城の変化球対応にホークスの選手は慣れているから、東を攻略できるという趣旨でした。その肝心の部分を省いて報じてしまったのです。あれがなければ、DeNAの逆転日本一もなかったかもしれません」
もはや、あとの祭りだったのである。