ロッテがついに「決断」を下した。入団時から近い将来のメジャーリーグ挑戦を訴えていた佐々木朗希について、今オフにポスティングでの移籍を容認すると発表したのだ。佐々木はさっそく、球団を通じてコメントを出した。
「入団してからこれまで継続的に将来的なMLB挑戦について耳を傾けていただき、今回こうして正式にポスティングを許可していただいた球団には感謝しかありません。ロッテでの5年間はうまくいかなかったことも多かったですが、どんな時もチームメート、スタッフ、フロント、そしてファンの皆様に支えられながら、野球だけに集中してここまで来ることができました。一度しかない野球人生で後悔のないように、そして今回背中を押していただいた皆様の期待に応えられるように、マイナー契約から這い上がって世界一の選手になれるよう頑張ります」
本来ならば、佐々木には総額300億円以上の価値があるとされる。ところがメジャーリーグでは、25歳未満の海外選手はマイナー契約しか結ぶことができないルールが設けられている。そしてその総額は、各球団の成績や直近のシーズンの契約金総額によって、それぞれに制限される。かつて大谷翔平が結んだマイナー契約の前例に倣えば、ロッテへの譲渡金はわずか8900万円程度となる。2年待てば莫大なカネが入ってくるロッテにとって、早期のポスティングは痛手だ。
だが球団関係者は「仕方がない」といった表情でこう言う。
「入団交渉時から将来的にメジャー移籍させることを球団に認めさせた上で、入団を了承している。球団は諦めるしかない」
そして球団の営業面にも、大打撃を与える可能性があるのだ。
「佐々木以外に誰もが知っているロッテの選手なんていませんから。球団の顔が抜けたら集客、スポンサー、看板営業など全てに影響が出る。その対応もままならない。一気に球団経営が傾きかねない情勢です」(前出・球団関係者)
アメリカ行きは佐々木本人にとっては朗報だが、球団は最も恐れていた現実を突きつけられている。