先に触れたように、日本から海を渡った先人たちも「NO SMOKING」の洗礼を浴びてきた。スポーツ紙デスクが振り返る。
「日本人メジャーリーガーが最初にぶち当たる壁はタバコを吸う場所がないこと。松井稼頭央(49)もメッツ時代の1年目に苦労していましたよ。スプリングトレーニングで午後の個人練習になると、ランニングの途中に外野から外に消えて草むらで一服していたようです。楽天の石井一久新GM(51)も陰で吸っていた口で、ドジャース1年目に14勝していながら調子を落とした時期には『セカンドバッグにタバコを忍ばせている』と現地の番記者にその原因を書かれていた。楽天が禁煙にならないわけですよ。ホームは両ベンチ裏で吸えます」
同じパ・リーグでもロッテと日本ハムはすでに全面禁煙を実施している。
「ロッテの吉井理人監督(59)は嫌煙家。ソフトバンクのコーチ時代に当時の工藤公康監督(61)や佐藤義則コーチ(70)がヘビースモーカーで、コーチ会議のたびにスパスパやられるのが嫌で1年で退団しているほど。一方で、喫煙習慣があった日本ハムの新庄剛志監督(52)はサンフランシスコ・ジャイアンツ時代、同僚のジェフ・ケント(56)に『臭いから歯を磨いてこい』と詰め寄られていました。アジア人差別と並行していて、ケントの手によってスパイクの靴紐が2足同士でカチカチに結ばれていたこともあったようです」(スポーツ紙デスク)
セ・リーグではDeNAが禁煙の先陣を切ったものだ。
「12年に親会社がDeNAに代わったタイミングで球場から練習場まで禁煙を徹底しています。そればかりか、12年以降の新人入団選手の契約書には、『1年間の禁煙を守る』という条項まで含まれている。破った選手がフェニックス・リーグから強制送還されたこともあったほどです」(球界関係者)
一方、DeNAにCSで下剋上を許した巨人は禁煙ルールが導入されていないようだが‥‥。
「それでも、03年オフから禁煙している原辰徳前監督(66)は、現役時代は愛煙家だったのに、選手たちに禁煙のススメを説いてきました。特に故障をしがちな吉川尚輝(29)には『お前さんはタバコを吸うからケガをするんだ』とよく説教をしていた印象です」(スポーツ紙デスク)