NPBに浸透する禁煙の潮流は、ダントツ最下位球団にまで伝播していた。球界関係者が耳打ちする。
「西武でも禁煙ルールが設定されました。球団上層部から選手に対して『今季は歴史的な敗戦を記録した。これから上がっていくためにはチームを変えなければいけない。そこで選手にお願いをしたい。練習中にタバコを吸うのをやめよう』と訓示があったといいます。選手たちは一様に『何を言ってんだ?』というケゲンそうな顔になったそうです」
なぜか、西武はこの提言を公にはしていない。事実を確認するべくプレミア12の宮崎合宿に参加している古賀悠斗(25)を直撃すると、
「もうチームの順位が順位だったので粛々と受け止めています」
と俯きがちに提言内容を認めるのだった。とはいえ、
「今季はハムストリングスを中心に筋肉系のケガ人が頻出。その7割ほどが喫煙者だったことを球団が重く見た提言のようです。そもそも西武ナインの喫煙率は8割5分とも言われています。だったらタバコばかりがケガの原因ではなかったのではと‥‥。思えば、広島の秋山翔吾(36)が在籍していた時代は、秋山以外のレギュラー全員が喫煙者で固められていた。相手投手の対策を練るのが喫煙所だっただけに『大事なことはいつも喫煙所で決まる』と、秋山を嘆かせていたほどです」(球界関係者)
禁煙がタブー視されていたのも無理はない。チームのレジェンドOBたちが生粋の愛煙家だったからだ。
「西武は野手ばかりか、東尾修氏(74)や工藤氏など、本来は喫煙を回避する主力投手陣にも喫煙者が多かったのが伝統。くしくも今オフにチームを退団した渡辺久信GM(59)もヘビースモーカーでした。いなくなったタイミングで提言が出たのも、言いづらい雰囲気があったからでしょう。監督を代行する前は、喫煙所で不甲斐ないチーム状況にブチキレて灰皿を蹴り上げる日も少なくなかったといいますからね。そもそも、本当に故障の原因として危惧されたのであれば、まずは渡辺GMに通達してでも早急に実行すべきだったでしょう」(球界関係者)
再建を見据えてのリスタートが選手を煙に巻くばかりでなければいいが‥‥。