佐々木朗希の代理人が正式な交渉を始めるのは1月16日以降、移籍先が決まるのは交渉期限ギリギリに――。米メディアがイメージしているのは、佐々木のメジャーリーグ挑戦に関するそんなタイムスケジュールだ。
佐々木の代理人はジョエル・ウルフ氏。ドジャース・山本由伸を担当した人物だ。山本の交渉は最終的にマネー戦争になり、途中離脱する球団が出たが、佐々木は「25歳ルール」により、マイナー契約しか結べない。「令和の怪物」と称される若い逸材を、超低予算で獲得できる。
「25歳ルール」では、契約金と年俸は「インターナショナル・ボーナス・プール」という、定められた金額内からしか出すことができない。対象選手に対する「契約金と年俸の合計額」は最大700万ドル(約10億6800万円)と決められている。
メジャーリーグ関係者が解説する。
「インターナショナル・ボーナス・プールはメジャーリーグ機構が毎年、各球団に割り当てます。マイナー施設の規模などによって、若干のデコボコがあるんですが、割り当てられる額は一球団あたり、だいたい700万ドル。ドジャース以外の球団は2024年度分をほぼ使い果たしてしまいました」
交渉の本格化が1月15日と予測されるのは、そのためだ。来年度の契約期間は1月15日から始まり、年度が変わってボーナス・プールはリセットされる。
また、ポスティング・システムの締切日は12月15日。交渉期限は45日間なので「12月15日に申請完了、そこから45日間」と考えると、来年1月末が期日となる。つまり1月16日以降30日までの15日間で、ウルフ氏は交渉をまとめなければならないのだ。
「メジャーリーグ各球団はシーズン中からスカウトを派遣していたので、佐々木の素質については知り尽くしています。ただ、体力不足の課題を5年経っても解消できていない点に、疑問を感じています。米球界の中4日のローテーションをこなす体力がないことも分かっていますが、この先もずっとそうした状態が続くのではないか、との厳しい意見が出始めました」(現地ジャーナリスト)
ウルフ氏はわずか15日間で、不安解消の説得ができるのだろうか。ポスティングシステムのルールでは、交渉決裂の際はロッテ球団に戻ることになっている。「ロッテ帰還」はありえない話ではない。そうなれば、佐々木と球団の「今後の関係」が心配になってくる。
(飯山満/スポーツライター)