ロシアと北朝鮮による相互軍事支援を定めた「包括的戦略パートナーシップ条約」が、ついに批准された。
旧ソ連時代に締結された友好協力相互援助条約が失効して以来、28年ぶりに電撃復活したこの軍事同盟に歩調を合わせるかのように、ウクライナ軍が越境攻撃を続けているロシア西部のクルスク州では、1万人を超える北朝鮮部隊を含む5万人規模の露朝合同軍が、反転攻勢の準備を進めているとされている。
しかし、本サイトが10月22日以降、4回にわたって指摘してきたように、ウクライナ軍と北朝鮮部隊の間ではすでに交戦が行われ、北朝鮮部隊から相当な数の戦死者が出ていると伝えられる。情勢は以下のように、風雲急を告げているのだ。
●ウクライナ政府は「死にたくなければ投降せよ」と北朝鮮兵に警告
●投降や脱走を試みる北朝鮮兵をロシア軍が後方から射殺
●特殊精鋭部隊「暴風軍団」を含む北朝鮮部隊に全滅の危機
●暴動に怯える金正恩は派兵部隊の家族を人質として強制隔離
●万単位の戦死者が出れば、首都・平壌で軍事クーデターが勃発
そんな中、親ウクライナのテレグラムチャンネル「ExileNova」は10月末に、ウクライナ戦線で負傷し捕虜となった北朝鮮兵士の生々しい動画を公開している。
そこには攻撃を受けて血まみれとなった頭部に包帯を巻き、病院のベッドで横たわる北朝鮮兵士の「衝撃映像」が克明に映し出されていた。そして息も絶え絶えに、苦悶する兵士は絞り出すような声で、次のように訴えていたのだ。
「私は仲間の遺体の下に隠れて生き残った」
「ロシア軍は私に武器を与えてくれなかった」
ちなみに、アメリカの政策研究機関「戦争研究所」は「ロシアは北朝鮮兵士を『大砲の餌食』にしようとしている」と指摘している。
北朝鮮捕虜兵が絞り出した断末魔の声は、まさにこの指摘を裏づける「戦慄肉声」と言えるだろう。
(石森巌)