11月17日のWIN③福島民友Cは高齢馬が不振。6歳以上の馬は20年以降〈0 0 0 20〉と上位に食い込めていません。ちなみにヘイルトゥリーズン系種牡馬、すなわちサンデーサイレンス系種牡馬やロベルト系種牡馬の産駒も安定感を欠いていました。
WIN⑤のマイルCSは安田記念以降の戦績がポイント。同年6月以降に東京か中山の重賞で6着以内の経験がない馬は、18年以降〈0 0 0 41〉とすべて4着以下に敗れています。関西圏やローカルのレースを主戦場としてきた馬は、疑ってかかるべきでしょう。
さらに、出走数が17戦以上の馬は18年以降〈0 0 1 33〉。近年はキャリアの浅い馬が圧倒的に優勢です。なお、今年、特別登録を行った馬のうち、出走数が16戦以内の馬は、わずか7頭しかいません。
また、前走の距離が1600メートル以下だった馬に限ると、前年以降にJRA、かつ今回と同じ距離のGⅠかGⅡを勝った経験がない馬は18年以降〈0 0 1 47〉。実績あるマイラーでないかぎり、1マイル以下のレースを経由してきた馬は評価を下げるべきだと思います。
あとは生産者も重視した方がよさそう。18年以降、ノーザンファーム生産馬は〈5 2 4 24〉、追分ファーム生産馬は〈1 1 1 3〉と、それぞれ比較的優秀な成績を収めていました。
これらの条件をキレイにクリアしているのは、シックスペンスとブレイディヴェーグの2頭だけです。シックスペンスは前走の毎日王冠が、ブレイディヴェーグは前走の府中牝馬Sが素晴らしい内容でしたし、ある程度は素直に信頼していいのではないでしょうか。
注目馬をもう1頭挙げるならばナミュール。キャリア17戦である点がやや気になるものの、昨年の優勝馬ですから、当然ながら無理に嫌う必要はありません。
伊吹雅也(いぶき・まさや)「JRAホームページ」「グリーンチャンネル」ほか、さまざまなメディアに活躍の場を広げている新進気鋭の競馬評論家。新刊「血統&ジョッキー偏差値2024-2025~儲かる種牡馬・騎手ランキング(競馬王馬券攻略本シリーズ)」 (ガイドワークス)が好評発売中。