「週刊文春」に起こした裁判を取り下げ、復帰をもくろむ松本人志。だが復帰どころか、引退のXデーが迫っている。というのも現状、まるで復帰のメドが立たないからだ。
なにしろ、松本への世間の風当たりは強い。「松本をテレビに出すな」と、アレルギーがものすごい勢いで噴出しており、テレビ界は無視できない状況である。
「横山やすし・西川きよしのマネージャーを務め、吉本興業の常務などを歴任した木村政雄氏が、松本の性加害報道を受けて再三、発言しているのですが、昔はお笑い芸人、もしくはお笑いというエンターテインメントそのものの地位が低かった。それがいつしかステータスが上がり、社会的な責任が出てきたと論じています。そして、その地位向上に寄与した立役者はまぎれもなく、松本だったのではないでしょうか」(番組制作会社スタッフ)
松本はあの島田紳助氏が引退を決めるキッカケを作り、初の著書となった「遺書」(朝日出版社)は約250万部のベストセラーを記録。日本武道館では単独で「写真でひと言」を100枚ぶっ通しで行なうライブも開催した。松本に憧れる多くのフォロワーを生み、バラエティー番組のみならず、ドラマ出演や映画監督、コメンテーターとしても活躍するなど、多方面での功績は計り知れない。
「もちろんビートたけしや明石家さんまが果たした役割は大きいわけですが、その圧倒的なカリスマ性とストイックさで『お笑いごときが』という風潮を打ち破り、お笑いという芸こそ最高のものだ、という空気を醸成したのは松本だったのではないでしょうか。そんな中での『過ち』が単なる芸の肥やし、遊びとみなされなくなってしまった。しかも裁判沙汰にまでしたことで、近年のSTARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)の性加害事件と併せ、社会問題としてクローズアップされました。つまり、自分で高めたお笑いの地位が今、松本を苦しめているのです」(放送作家)
今後、松本に打つ手はあるか。
(魚住新司)