秋GⅠの最大イベントとも言っていいジャパンカップ。今年は3頭の外国馬が参戦を予定しており、とにかく文句なしの顔ぶれだ。
まずは迎え撃つ日本勢だが、錚々たる力量馬が名を連ねる。
先日の天皇賞・秋でGⅠ4勝目を飾った22年のダービー馬ドウデュースを筆頭に、ジャスティンパレス(天皇賞・春)、スターズオンアース(桜花賞、オークス)、ソールオリエンス(皐月賞)、チェルヴィニア(オークス、秋華賞)、ドゥレッツァ(菊花賞)、ブローザホーン(宝塚記念)とGⅠ勝ち馬が7頭。
一方、外国勢の筆頭は、英愛ダービーやBCターフなどGⅠ6勝というすさまじい成績を挙げているオーギュストロダン(愛国)。しかも、名伯楽の名をほしいままにするエイダン・オブライエン調教師が手がけており、日本が誇るディープインパクト産駒。注目しないわけにはいかない存在だ。
あとの2頭はドイツの生産馬で、いずれもGⅠを制している。9月のバーデン大賞でGⅠ2勝目を挙げたファンタスティックムーン(独国)は、欧州を股にかけて活躍しており、ゴリアット(仏国)は、7月のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSで勝利を収めて名を上げた。
これら3頭とも4歳馬。衰えるどころか波に乗っての挑戦で、まだ底を見せておらず、過去の招待馬とは趣を異にしてチャンスは十分。仮に外国馬が勝利すれば05年のアルカセット(英国)以来、19年ぶりの快挙となるが、いずれもフレッシュな馬たちだけに軽視は禁物だろう。
それでは過去のデータを見てみよう。
02年に馬単が導入されて以降、これまでの22年間、その馬単での万馬券は4回(馬連は2回)。この間、1番人気馬は9勝(2着4回)、2番人気馬はそう振るわず、わずか1勝(2着は6回)。1、2番人気馬によるワンツー決着は4回あり、そう大きく荒れることのない、中穴傾向のGⅠ戦と言ってよさそうだ。
年齢的には4歳馬が11勝(2着7回)と圧倒的に強く、続いて5歳馬の7勝(2着5回)、3歳馬が3勝(2着9回)と好成績を収めている。
あとは、過去5年で馬券になった15頭のうち5頭が該当するように、頭数のわりに牝馬の活躍が目立っていることは、頭に入れておくべきだろう。
もろもろ考慮した上で最も期待してみたいのは、これまで軽く見られがちだった外国勢。中でもゴリアットに期待したい。
何はともあれ、キャリアが浅いところがいい。前走は仏ロンシャン競馬場でのGⅡコンセイユドパリ賞。不良馬場をものともせず、60キロを背負っての勝利だった。そして前々走は前述したように、英国の古馬最高峰である伝統のキングジョージ6世&クイーンエリザベスSをモノにして、初のGⅠ制覇を成し遂げている。この時の斤量は61.2キロ。4歳馬でキャリア10戦であることを思えば今がまさに旬。充実期を迎えていることがうかがえる。
しかも、この秋2戦目。であれば、状態のよさはおおよそ察しがつくし、陣営がいかに本気で挑んできたかもわかる。
父は独ダービー馬で、あまり知られていないが近親、一族に活躍馬が多数いる欧州の一流血脈。勝ち鞍6勝のうち4勝を2400メートル戦で挙げているように、ここはベストの舞台でもあり、晴雨にかかわらず大きく狙ってみたい。