今年、JRAが打ち出した暑熱対策は、7月27日、28日、8月3日、4日の2週間、関西以西の競馬を休止することだった。それに加えて、新潟競馬の2部制の導入。1レースを9時35分に早め、11時35分の5レースまでが前半。およそ3時間半の昼休みを挟んで、15時10分の6レースから、18時25分の12レースが後半となる。
最も暑い時間帯に空白を挟むことで人馬の安全を図るという趣旨だが、皆さんご想像のとおり、その時間を休んだとて、暑いものは暑い。それよりも、ファンがほぼ9時間に及ぶ競馬場での滞留に耐えられるかどうかが気になる。
主催者の思惑を推理すれば、新潟の休み時間の間に札幌競馬は5レースから10レースまで6つの競馬が進行するわけで、自動的に札幌の売り上げが上がるという読みが透けて見えてくる。この試みの成否は、暑さ指数の検証などで科学的に精査されるべきだが、年々暑さが厳しさを増すこの時代の決定版となる対策とは思えない、とだけはつぶやいておきたい。
札幌のエルムSは、なかなかの好メンバーがそろった。カギとなりそうなのは展開で、ミトノオー、テーオードレフォン、プロミストウォリアと、逃げてこそ持ち味が生きる馬が3頭もいては、少なくとも序盤の主導権争いは避けられそうにない。その集団の直後で折り合えるドゥラエレーデに武豊騎手というのはまさに絶好で、馬券の中心はこの馬だろう。
先行争いからプロミストウォリアが粘りそうだが、穴ならユティタム。ムラな成績からは信じられないが、これまで乗った騎手が「能力は相当なもの」と口をそろえて言う潜在能力を買いたい。
前走、ゴール前の俊敏さが印象に残るナチュラルハイ。その前の競馬で現実にそれを負かしているサヴァ。道営の強豪シルトプレなど、クセ者も多い。
レパードSも好メンバー。ソニックスターは、暑さに弱いと言われる真っ黒な馬だが、早くから高い素質を期待されていた潜在能力の高さをここで買ってみたい。とはいえ、馬券は手広く押さえないとこぼしてしまいそうなほど、キャラがそろっている。