ニッポン放送の檜原麻希社長が会見を開き、来年も看板番組「ショウアップナイター」の中継継続を示唆した。
昨年のワールド・ベースボール・クラシック、今春のメジャー韓国開幕戦、果ては来春の東京ドームで開催予定の「大谷翔平開幕戦」まで網羅する羽振りのよさ。だが実情を探ってみると、
「かなり厳しい。追い込まれています」
と在京ラジオ局関係者は声を絞り出すのだった。
「実況担当アナウンサーの大半は60代半ばで、社員アナウンサーは50代1人、40代1人、30代1人、そして今年4月に甲信越地方の民放テレビ局から転職した20代の1人と、合計4人だけ。11月24日まで開催された『プレミア12』の東京ラウンドも球場から生中継しましたが、起用をめぐって大騒動だったと聞いています」
放送権コストがどうしてもついて回るナイター中継。聴取率もどんどん下がっている中で、それでもなんとか維持できているのは、皮肉にも地方ラジオ局からの仕事依頼ゆえだ。
「以前は地方を本拠地にするプロ野球チームの試合中継のため、関東にもスタッフが赴いて中継制作していたものの、近年は予算削減でそれが激減。一部はオフチューブ形式に置き換えていますが、特別な回線使用料が発生するため、実質的には割高になっている。それをカバーすべく、ニッポン放送に代理中継制作を依頼していて、この収入でどうにか存在感を保っているとか。ただ札幌、福岡では土日の中継から撤退しているラジオ局があり、他局が追随すれば代理中継制作も崩れてしまいます」(前出・在京ラジオ局関係者)
崖っぷちの状況は変わっていないのである。