11月13日にバンテリンドームで行われた野球の国際大会「プレミア12」グループBの初戦で、侍ジャパンはオーストラリアを相手に、実力通りに快勝。
一方で、開幕戦の観客数が347人と驚きの低空飛行だったメキシコ開催のグループAは大混戦。実力No.1のアメリカと開催国メキシコが苦戦を強いられていることから、6チーム中4チームが3勝2敗、もしくは2勝3敗で並ぶ可能性がある。11月14日にプエルトリコを下して頭ひとつ抜け出したベネズエラ以外、どこの国が上位3つに入り、東京ドームで行われる「スーパーラウンド」に進むかわからない状況だ。
そんな混戦を尻目に、グループBの主役たる日本代表はこの後、メイン開催地である台湾へと移動し、韓国、キューバ、チャイニーズ・タイペイ(台湾)、ドミニカ共和国と対戦する。
しかしここにきて、まさかの事態に。日本が台湾と対戦する11月16日に、台風25号が直撃する可能性が出てきたからだ。試合会場は台北ドームゆえ、雨天決行は可能だが、安全のために台北市が要請した場合は中止となり、代替日と会場が発表される。
「実は今回の『プレミア12』は、中止になった際のレギュレーションが存在しないことが、NPB(日本野球機構)への取材でわかりました。これには『国際大会としてあまりにもお粗末』だと、SNS上で多くの批判が聞かれます」(スポーツ紙記者)
サッカーW杯などの大きな国際大会では、なんらかの理由で中止になった場合の開催変更、さらには勝ち点などのレギュレーションが定められ、それはファンにも伝えられている。それがないというのは、チコちゃんなら「ボーっとやってんじゃねーよ」と顔を真っ赤にするところだろう。
台湾開催は閑古鳥が鳴きわめくグループAと違い「チケット売り上げは好調」という情報が。それなのに、
「11月13日に台北ドームで行われた開幕戦の台湾×韓国は3万9000人のほぼソールドアウトで、台湾が勝利したこともあり、大盛り上がりでした。ところが同日に台湾で行われたキューバ×ドミニカ共和国の観客数は255人。なんとメキシコでの開幕戦347人の記録をさらに更新してしまったんです。このままでは国際大会としての意義が問われかねませんね」(前出・スポーツ紙記者)
11月21日から行われる東京ドームでの「スーパーラウンド」はWBCの日本ラウンドと同じ、1日通し券という手法で、他国同士の戦いの観客数を日本戦と同じ数に盛れる「裏技」を使っている。
しかし台風が直撃した場合、順延試合がスーパーラウンドの日程に影響を及ぼさないのか。レギュレーションなしによるお粗末なドタバタ劇が待ってなければいいのだが…。
(田村元希)