野球の国際大会「プレミア12」で、グループBのオープニングラウンド開催地となった台湾と、11月21日から開催されるスーパーラウンドの舞台となる日本。この2カ国の「自国愛」だけが際立っている。その他の10カ国の熱量との差があまりに大きいというか…。
11月18日はオープニングラウンドの日本の最終戦となる、ドミニカ共和国との一戦が台湾の天母球場で繰り広げられたが、結果は11-3で日本の圧勝。雨つぶが落ちる悪天候の中、集まった2572人がさほど盛り上がることなく、試合は終わった。
「大会前、普段のWBC予選などでは対戦しない中米の強豪国ドミニカとの対戦を楽しみにしている日本のファンは少なくありませんでした。しかし、ドミニカは既に敗退が決まっていたことで、全力疾走なし、守備でのスローイングも雑でした。ハナから全勝がマストの日本の相手ではなかったわけです」(スポーツ紙デスク)
敗退後、大音量の音楽を流し、踊りながらバスへと乗り込むドミニカの選手。オフシーズンにアジアのスポンサーが招待してくれて、普段はそれほど稼げない選手たちが、出場料を手にする。「思わず踊りたくなった」という皮肉が聞こえる中、陽気なドミニカンたちは帰国の途に就いた。
翻って日本代表が踊れるのは、優勝した時のみ。大会の価値を疑問視する声は止まないが、野球世界ランキング1位の力を見せてほしい。
(田村元希)