今年8月に再結成ツアーを正式発表し、2025年夏のUK/アイルランドを皮切りにライブツアーを行うのは、イギリスの国民的ロックバンド、オアシスである。日本では東京ドーム公演が来年10月25日と26日に行われるが、案の定、チケット争奪戦はとんでもないことに。
チケットぴあ独占での申し込みだったのだが、抽選を申し込むためのページにほとんどのファンが到達できず。4時間、5時間とかかる人が続出したのである。7万5000円のVIPシートを除けば、主なものは3万円以上。昨今のチケット事情からみても高めながら、「大谷翔平(が出場したワールドシリーズのチケット)より安い」とも…。
来日するにあたり、メンバーからは「日本のみんな、俺たちは君たちのことを忘れてないぜ」というメッセージが送られた。これに日本のファンが返したのは「俺たちも忘れてないぜ」「だったら…」というものだった。いったい何が「だったら…」なのか。
オアシスはリアムとノエルのギャラガー兄弟のバンドだが、この兄弟は「世界一仲が悪い」とのレッテルを貼られているほどに、険悪な関係にある。そして「忘れていないなら東京だけでなく福岡でもやれよ」というものだ。
実はオアシスと福岡には深い因縁がある。仲の悪いギャラガー兄弟がステージ上で険悪なムードになることは多くの国で見られたが、なんと福岡ではそれが2回、しかもボーカルのリアムが2度とも途中でステージから退いてしまったのだ。
まずは2000年2月の、マリンメッセ福岡。5曲を歌った時点でリアムが帰ってしまうことに。翌日、喉の調子の悪さを謝罪したが、早朝までアルコール漬けだったことがバレている。
そして2002年10月、福岡国際センターでのライブでは音響の悪さに不満があったのか、リアムがステージ上で何度も文句を言い出し、6曲目の途中にマイクを叩きつけてステージを降りてしまった。この時はギターのノエルが慌てて観客に「ちょっと待ってて」と言い残してライブを中断したが、結局、リアムは戻らず。なんとノエルがアコースティックライブを行うという、まさかの展開になった。
こうした「因縁」が「俺たちも(福岡を)忘れてないぜ」との返しになったのだと…。
残念ながら現在のところ追加公演の予定はない。アンチからは「集金ツアー」と揶揄されるだけあって、さすがにまた途中で終了ということはないと思いたいが…。
(高木莉子)